国語史資料の連関

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2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2007-06-30

■ [字音][音韻]有坂秀世「諷經の唐音に反映した鎌倉時代の音韻状態」(部分) http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/arisaka/on-insi/12.pdf ここに私が述べて見たいのは、主として唐音資料に反映した所の、鎌倉時代の國語の音韻状態である。 鎌倉時代の…

2007-06-29

■ [音韻]開合(『林永喜仮名遣書』) 此わかち、むかしはさたなく候を、定家卿より此かたあらためらるゝよしうけたまはり候、しかれども、かきうつしのあやまりにや、定家のかなづかひにもたがひめおほく御座侯、此い、ゐ、へ、ゑ、を、お、などはすこしたが…

2007-06-28

■ 平賀源内「嗽石香」 はこいりはみがき 嗽石香 せりふ口上 風来山人 全文引用 岡本竹二郎?『戯文軌範』(明治十四年)*1 http://codh.rois.ac.jp/iiif/iiif-curation-viewer/index.html?pages=100249616&pos=16『東都八大家戯文』 http://dl.ndl.go.jp/info:n…

2007-06-27

■ [字音]音の五行を知る歌 アワヤ土 ハマ水 サ金 タラナ火ぞ カは木なれども土につくあり http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20070626/の影響下にあるもの。 高井蘭山『名乗字引』寛政三年序『本朝名乗字引』高井蘭山輯・清間齋刪補『日本史同外史/名乗…

2007-06-26

■ 論文・岡島昭浩「〈五音歌〉の変容」*1 01:48 移転先 https://okajima-akihiro.hatenadiary.jp/entry/2007/06/26/020921 ツイートする *1:本論文は、『テクストの生成と変容』に載る。

2007-06-25

■ [文献]日本語音別目録 1984年頃からノートに書き留めておいたものを、2002年頃から転記しかけていたのだが、転記不足で、また以後の追記は全く不十分。http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20070615/http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20070624/ よ…

2007-06-24

■ [字音][文献]声母別目録 1985年頃にノートに書き留めておいたもの。http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20070615/ の姉妹篇 幇母 博類 博北布補邊伯百巴晡 方類 方甫府必彼并分筆畀鄙封平田昌司 呉語幇端母古読考(上下) 均社論叢14.15 滂母 普匹滂譬 …

2007-06-23

■ 箋註和名類聚抄・校例提要 箋註和名類聚抄巻第一校例提要謹按上古淳朴、未v有2文籍1自2漢字始入1,借以紀v事、而譯語之書漸興、如2楊氏漢語抄、辨色立成,日本紀私記、本草和名諸編1是也,」然以2猶未1v能2詳備1,曁2延長公主1、更令3能州源君、輯2録此書1,」…

2007-06-22

■ 題倭名鈔 從五位上能登守源朝臣順者其先出自弘仁帝帝生定賜源姓號之楊院大納言定生至仕擢從四位下左京大夫所謂天下之好色者也至生攀々生順々爲人博聞強記識字屬文賦詩又詠倭歌比壯擧名進士直弉學院邑上帝天暦五年詔順及大中臣能宣清原元輔紀時文坂上望城於…

2007-06-21

■ 「半濁」(類聚名物考) アイウエオの音語の半濁 音便はナニヌネノにかよふなり[……]ハヒフヘホの半濁はワヰウヱヲに似て事は通はず[……]或人云、ラリルレロは半濁と云ふ 未考[……]ラリルレロは半濁なるに似たり。ハわと云 ヒいと云 フうと云 ヘえと云 ホヲと…

2007-06-20

■ [言葉とがめ]山口鋭之助、日本語を論ず 随見随聞録 見聞子京都府教育雑誌123号(明治35年7月20日) 去る六月下旬に関西文庫協会の例会が開かれた節、席上の演話は京都大学教授理学博士山口鋭之助氏であった。氏は物理学専門の学者であるのに、此席へ来て談…

2007-06-19

■ [東雅]うしほ http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=55012373&VOL_NUM=00001&KOMA=46&ITYPE=0 潮をば古語にはシホといひしを、倭名鈔には、潮字読てウシホと云ひけり。シホといひし義不v詳。ウシホといふは、海潮《ウシホ》也。古事記には海塩と…

2007-06-18

■ 芥川龍之介の「漢字と仮名」(「澄江堂雑記」) http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/3745_27318.html 十三 漢字と仮名と 漢字なるものの特徴はその漢字の意味以外に漢字そのものの形にも美醜を感じさせることださうである。仮名(かな)は勿論使…

2007-06-17

■ 芥川龍之介の「言海」(「澄江堂雑記」) http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/3745_27318.html 二十四 猫 これは「言海(げんかい)」の猫の説明である。「ねこ、(中略)人家(ジンカ)ニ畜(カ)フ小(チヒ)サキ獣(ケモノ)。人(ヒト)ノ知…

2007-06-16

■ [言葉とがめ]芥川龍之介の「とても」 http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/3745_27318.html 二十三 「とても」「とても安い」とか「とても寒い」と云ふ「とても」の東京の言葉になり出したのは数年以前のことである。勿論「とても」と云ふ言葉は東…

2007-06-15

■ [字音][文献]韻別目録 1985年頃にノートに書き留めておいたもの。上古の韻部も中世近世のものも無理矢理放り込んである。 東董送屋(1)韻鏡第一第十二第十八転のヲウ、ヲ、ヲンの字音仮名遣は誤解に基づく 満田新造(2)漢字上古音東冬分韻的問題 周祖謨 国際…

2007-06-14

■ [言語生活史][人名]「諱字の説」(菅茶山) 一 諱字《いみな》の説 諱《いみな》に木火土金水を次第してつくること、いつの頃に始りしか宋人ことに多し。張|浚《しゆん》の子名は拭《しよく》、朱子の父は松、子は塾《じゆく》、在後に俊《しゆん》あり、そ…

2007-06-13

■ [言語意識史]「自分の親を呼ぶに母様をもってする」(泉鏡花) 『婦系圖』十三 「昨日(きのう)は母様(かあさん)が来て御厄介でした。」 と、今夜主税の机の際(わき)に、河野英吉(えいきち)が、まだ洋服の膝も崩さぬ前(さき)から、「君、困ったろう…

2007-06-12

■ [言語生活史][人名]「姓名判断 化の皮」(幸田露伴) 昔は納甲と稱して、十干十二支の相生相剋を忌み、何の性の人はその名前に何の字を命けるといふ風に、大抵それが一致してをつたもので『節用』などを見ると、例へば木性の人は何の字を、又水性の人は如何…

2007-06-11

■ [言語生活史][人名]「吉凶を説く姓名判断」(宮武外骨) 吉凶を説く姓名判断人一代の運命はその姓名の字画や意義によって支配せられるものであると号して、大正三、四年の頃、姓名判断ということが流行し、成功した学者偉人、失敗した政客悪人など、古人の姓…

2007-06-10

■ [言語意識史][人名]「名前の読み方に関しては、親が決めれば大丈夫」 田宮規雄『世界にはばたく 女の子の名前』二〇〇六年、高橋書店isbn:4471021052 そのまま読むと「……」になってしまうので、私がお世話になった母校の国語の先生に相談したんです。 する…

2007-06-09

■ [言語生活史][人名]「世之反切人名者。亦何知韻鏡之所以為韻鏡乎」(太宰春台『斥非』) 近時韻鏡之書。盛行于世。則有下反切人名之事其法。於人之二名者以上字為切母下字為韻。従韻鏡帰成一字。因視其字美悪、美則已。悪則改其名、以為所帰之美悪。而終身…

2007-06-08

■ [言語生活史][人名]「反切人名」(文雄『韻鏡指要録』) (『磨光韻鏡後篇』) 反切人名韻鏡にて人の名を反すと云コト中夏にはせざるコトなり。我邦近世の俗弊にて杜撰せるよし韻鏡索隠に辯じ畢れり。然るに是に似たるコト中夏にもなきにしも非ず。近歳新…

2007-06-07

■ [言語生活史][人名]「名のもじの反切」(本居宣長『玉勝間』) 14「今の世人の名の事」 近き世の人の名には、名に似つかはしからぬ字をつくこと多し、又すべて名の訓は、よのつねならぬがおほきうちに、近きころの名には、ことにあやしき字、あやしき訓有…

2007-06-06

■ [言語生活史][人名]「実名を定るに必韻鏡にて歸納の字を求め」(『俗説贅辨續編』下(谷秦山)) 享保三年 實名歸納辨近世の俗人実名を定るに必韻鏡にて歸納の字を求め其吉凶によってこれを定む。今按ずるに非なり。垂加草七曰歸字之訣非考名字美悪之設。…

2007-06-05

■ [言語生活史][人名]「名乗をかへすといふ事」(江村北海『授業編』) 天明三年 此邦の人の。名乗をかへすといふ事ありて。是を学者の知りたる事のやうにおぼゑて。請求る人あり。此事を斥非編?に大に非駁して。不知其非為之是至愚也知其非為之是誑人也など…

2007-06-04

■ [言語生活史][人名]「名に吉凶有りと云て韻鏡にて反切する」(太宰春台『経済録』) 九制度 近世の俗に名に吉凶有りと云て韻鏡にて反切することを貴ぶ。是に由て反切して吉なる字を擇ぶ故に人の名同じ士庶は衆多なれば同名多きこと云に足らず。諸侯は海内…

2007-06-03

■ [言語生活史][人名]「韻鏡があらば……」(上田秋成『諸道聴耳世間猿』) 三 公界(くがい)はすでに三年の喪服(もふく) 馴染(なじみ)かさねて逢(あふ)客におまへのお字(あざな)は何と申ますと問ひかけられ。字(あざな)といふ事はしらぬが替名(かえな)は哥夕(…

2007-06-02

■ 「韻学」 『尾崎三良自叙略伝 下巻』中公文庫 此節韻学を研究せんと欲し、岡本黄石に就き吟詠を事とせしことあれども、何分予恥かしながら漢籍の素養乏しく、且つ毎年議会に際し性質として政論家に誘はれ政治の得失を論じ、時に或は相談会に出席せねばなら…

2007-06-01

■ [表記史]態と散らし書き 風雲回顧録 (中公文庫) 作者: 岡本柳之助,平井晩村出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1990/03メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る p129 その嘆願書は誠に不思議な形式であって、紙の中央に…