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2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2012-07-14

■ [語源説]「蜂起」(梅村載筆・人巻) ○惺斎云、日本俗間に、伍子宵が死して、眼の中より蜂出て、呉人をさしたるに仍て蜂起と云ことは、何の伝にも見へず。又唐国は星を主る国なれば、震旦国と名づくと云、是もおぼつかなし。紫辰北辰なんど云は星なれども…

2012-07-13

■ [文章作法](梅村載筆・天巻) ○書状の取かはしに、摂家大臣は判ばかりにて、名をば不v書、我より下の者へ遣はすには、名乗ばかり書て判をせず、名乗に判を加る事は、官符などの外にはまれなり。又傍輩への状にも、日の下には判《はん》計《ばかり》出して…

2012-07-12

■ [語源説]「さるがく(申楽)」(梅村載筆・天巻) ○神楽の神の字の篇を除て申楽と云と、日吉の社家に云習はせども、南都春日の社家に秦川勝が後裔女子を生て男子なし。其女子猿に嫁して男子をうむ。其男子能物まねをするによりて猿楽と云り。 ツイートする

2012-07-11

■ 年齡の数え方(梅村載筆・人巻) ○人の年数をかぞふるに、四の指にて甲子をあてゝくりあつること世人のならひなり、かりそめのことながら軽き重宝なり。 ツイートする

2012-07-10

■ 「凡《おほし》」(梅村載筆・人巻) ○昔は凡《おほし》と云姓を押と書り。光仁、桓武の時より、凡の字に改む、続日本紀に見へたり。凡河内躬恒も此字なり。 ツイートする

2012-07-09

■ 「そらに云ふ」(梅村載筆・人巻) ○周易をもそらに云時は、「しゆやく」と読なり。改元の時、書伝の語どもを引に、易の語をひく時は、周易とは不v云して、或文に云くと呼が古実なりとぞ、其余の書をばありのまゝに書名を云ふなり。 ツイートする

2012-07-08

■ 「ばはん」(梅村載筆・人巻) ○日本より異国へ行賊船を、「ばはん」と云事は、船の旗の上に八幡大菩薩と云文字をかきて建ること也、是を異国人見て「ばはん」とよめり。 ツイートする

2012-07-07

■ 「音によめば助字まで覚へてよけれども、仏経のやうにて野に聞ゆるなり。」(梅村載筆・人巻) ○前漢後漢ともに、昔より儒家の点あり。ふるき和訓もあり、てにはもよし。天竜寺の連竺雲よむ時に、高祖紀にて意谿如也とよめり。此例にて送2孟東野1序にて楽…

2012-07-06

■ 宇合・馬養(梅村載筆・人巻) ○藤原宇合はウガフとよむなり、馬養ともかけり、ウマカウとよむべきを略してウカフと云なり、是よみくせなり、是故に続日本紀に、宇合とも、馬養ともかけり、又大和国を、昔は大養徳国とかけり、近江国をば淡海国とかけり、…

2012-07-05

■ [語源説]鰯の「むらさき」(梅村載筆・人巻) ○鰯を女房の詞に「むらさき」と云ことは、「あいにまさる」と云義なり、鮎と藍と和訓同じ。 天巻にもほぼ同じ文あり。ツイートする

2012-07-04

■ [語源説]「かちん」(梅村載筆・人巻) ○内裏女房の詞に餅を「かちん」と云ことは、かちんの帽子をかぶりたる女房の、餅を持来れるゆへなり。 天巻にもほぼ同じ文あり。ツイートする

2012-07-03

■ イ点ケ点(梅村載筆・人巻) 毛詩の訓は、イ点ケ点あり。毛伝の伝の字の偏を取てイ点と云、鄭箋の箋の字の頭を取りてケ点と云なり。 ツイートする

2012-07-02

■ イ点ケ点(梅村載筆・人巻) 毛詩の訓は、イ点ケ点あり。毛伝の伝の字の偏を取てイ点と云、鄭箋の箋の字の頭を取りてケ点と云なり。 ツイートする

2012-07-01

■ 「昔より仮名づかひと云ふことはありけるにや」(梅村載筆・人巻) ○古今同文字なき歌、 世のうきめみえぬ山路へいらんには思ふ人こそほだしなりけれ 此「みえぬ」の「え」と「やまぢへ」の「へ」と同音にとなふる時は、昔より仮名づかひと云ふことはあり…