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2016-01-01から1年間の記事一覧

2016-06-01

■ 「「を」は、明瞭に「お」と区別して発音」(芦田恵之助) 表記は徹底表音に従いました。表記方法は、文部省の新仮名づかいに従って、「は」「へ」を「わ」「え」としました。客語をあらわすてには「を」だけは、私は明瞭に「お」と区別して発音し得ますか…

2016-05-04

■ 熊本・大分方言における「ねまる」 以下は、『九州方言の基礎的研究』(九州方言学会 風間書房 昭和44年)の「食物の腐敗」(老)の項(p.123)から、熊本県・大分県の部分を抜き出したものです。 50年程前の老年層(明治二十年代から三十年代生まれが中心)…

2016-05-03

■ 熊本・大分方言における「しこる」 以下は、『九州方言の基礎的研究』(九州方言学会 風間書房 昭和44年)の「シコル」(老)の項(p.125)から、熊本県・大分県の部分を抜き出したものです。 50年程前の老年層(明治二十年代から三十年代生まれが中心)です…

2016-05-02

■ 熊本・大分方言における「きつい・しんどい」 以下は、『九州方言の基礎的研究』(九州方言学会 風間書房 昭和44年)の「きつい」(老)の項(p.127)から、熊本県・大分県の部分を抜き出したものです。 50年程前の老年層(明治二十年代から三十年代生まれが…

2016-05-01

■ 熊本・大分方言における「寝込む」 熊本方言話者が「ねたおす」(ねったおす)などと言っていたら*1、それは「とことん寝る」というような意味ではなく、「(病気で)寝込む」の意味であることがあります。「ねおる」*2も同様です。 以下は、『九州方言の…

2016-04-30

■ 熊本・大分方言における「ガマダス」「ハリコム」 以下は、『九州方言の基礎的研究』(九州方言学会 風間書房 昭和44年)の「ガマダス」(老)の項(p.123)から、熊本県・大分県の部分を抜き出したものです。 50年程前の老年層(明治二十年代から三十年代生…

2016-04-15

■ 大分方言文献 橘正一『方言讀本』(1937)「昭和方言學者評傳」 〔大分縣〕 大分縣立第一高女の「豊後方言集」は、市場直次郎・波多野宗喜?・近藤信三?氏の共同勞作である。師範學校と違ひ、女學校の生徒は市内の人が大部分を占めて居るので、全體的分布調査…

2016-04-14

■ 熊本方言文献 橘正一『方言讀本』(1937)「昭和方言學者評傳」 〔熊本縣〕 熊本縣には田中正行氏がある。昭和四年、早くも「益宇方言考」「熊本縣阿蘇郡小國方言考」を出し、翌年は之を合册した「肥後方言考」第一編を出した。この頃はまだ分布を明にせず、…

2016-01-01

■ 谷崎潤一郎「関西の女を語る」 言葉は段々地方的特色を失ひつゝある。男は殆ど東京辯とも違ふ標準語といふ奴になりつゝあるが、女は阪神沿線は別として、市中ではまだ、學校などでも一種關西風の女學生言葉を使つてゐるやうだ。東京辯と比べると一長一短だ…