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2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2006-01-27

■ [字音資料]石川雅望「ねざめのすさび」○漢音呉音にて書をよむ事 20:52 ○あるひとのいはく、儒書は漢音もて読べし。仏書と医書は呉音にてよむこと、いにしへのならひなりといへり。考るにしからず。仏書を呉音もてよむべからずといへること。いにしへ既に天…

2006-01-26

■ [その他]石川雅望「ねざめのすさび」○古言 20:45 ○古言ふるき詞は代をふるにしたがひてうつりゆく物なり。鐔の字、和名抄に、唐韻云。鐔音尋、一音潭。和名都美波。劒鼻也とあり。此つみはを、今は高きもいやしきも皆つばとぞとなふる。又同書に、温室経云…

2006-01-25

■ [その他]石川雅望「ねざめのすさび」○すてがな 20:33 ○すてがな真字の下に仮字をそへてかくをすてがなとぞいふなる。あるひとのかたりしは、二字の詞にすてがなをせず。三字の詞よりすてがなをそふなり。たとへば善《ヨシ》といへるは二字の詞なれば、すて…

2006-01-24

■ [方言史]石川雅望「ねざめのすさび」○てんこちなし 20:30 ○てんこちなしゐなか人の詞に、てんこちもなしといへることは、ふるき詞なり。宇治拾遺物がたりに、てんこつもなくおろ/\かなてたりければとあり。実に古言はゐなかにぞおほくのこりたり。ツイー…

2006-01-23

■ [学史]石川雅望「ねざめのすさび」○かなづかひ 20:28 ○かなづかひかなづかひは古書によるべきことなりといへるはさも有べし。されど強ていまとたがはんとせるこゝろより、なか/\にかたくなゝる説をもいふめり。かほると云かなをかをるとかきて、万葉集に…

2006-01-22

■ [その他]石川雅望「ねざめのすさび」○俗文のあやまり 20:22 ○俗文のあやまり今の世の俗文に、御座候といふ文字をあまた用てかく事にす。御座はおはしますと云訓なれば、人をあがめいはんにはさもかくべし。おのれの事をいふにもこれを用て、不佞義も病気に…

2006-01-21

■ [方言史]石川雅望「ねざめのすさび」いかのぼり 20:18 ○いかのぼり都人はいかとよび、関東人はたことよべり。形の烏賊魚に似たればなり。ふるき絵はもとより、近ごろ西川祐信のゑがける物、みな烏賊魚のかたちせり。関東にては章魚といへるも、足のおほか…

2006-01-20

■ [学史]石川雅望「ねざめのすさび」三の巻「ぞ こそ」 20:09 ○ぞ こそこそといへるとぢめを、けせてねへめれの仮字もてむすべることは、たれもしれることなり。此外にぞにかよふこそといふこと有て、こそといひて終をる文字にてとむることありとて、ある歌…