国語史資料の連関

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2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2007-03-24

■ [音韻]上田萬年 清濁 茲に帝国文学会第二総会を開かるゝに当り、幹事の君まづ予が家を訪ひたまひて、是非とも此折に一席の演説を為すべしと所望せらる。されど予は此程漸く地方の巡回を終りて帰京せし事とて、其後公に私になにやかやと猶為す事多かれば。…

2007-03-23

■ 上田萬年 促音考 促音に就きては、在来の諸文典にかれこれ説明したるものあれども、大概は其要を得ざるが多し。中には促音とて一箇独立せる音あり、其の独立せる音の符牒に、ツの音 を宛つるなりと論ずる輩あれども、そはいみじきひが事なり。促音とは事実…

2007-03-22

■ [音韻]語学創見 上田萬年 第四 P音考 此事に就きては、本居翁などが半濁音の名称の下に、これを以て不正鄙俚の音なりとし、我国には上古決してなかりし音なりなど説き出されしより、普通和学者などいふ先生たちは、一図に其説を信じて、何事も他の云ふ事…

2007-03-21

■ 橋本進吉「波行子音の変遷について」 「岡倉先生記念論文集」昭和三年十二月十日 国語の波行子音、即ちハヒフヘホの最初の子音は、現在に於てはh音又は之に近い音であるが、古くはF音であり、更に古くはp音であったらうといふ事は、Hoffmann?, Edkins, Sat…

2007-03-17

■ 本居宣長『字音仮字用格』4「字音假字總論」 契沖又和字正濫要略を著せる中に、いさゝか字音の假字に云及せることあり、其説に、反切の上字を以て、イヰエヱヲオ等を分つべしと云るは誤也、假字は反切にて分るゝことに非ず、此は或人も既に難破せり、契冲…

2007-03-16

■ 本居宣長『字音仮字用格』3「オヲ所属辨」 オは輕くしてア行に属し、ヲは重くしてワ行に属す、然るを古来錯りて、ヲをア行に属て輕とし、オをワ行に属して重とす、諸説一同にして、数百年来いまだ其非を暁れる人なし、故に古言を解(く)にも、此(の)オヲに…

2007-03-15

■ 本居宣長『字音仮字用格』2「喉音三行辨」 先大御國の喉音に、アヤワ三行の差別ある所以の原をよく明らめおきて、後に字音の假字を論ずべし、抑此三行は、アイウエオより分れたる音にして其本は一なり、さて一つにして二つに分れたる所以は、アイウエオの…

2007-03-14

■ 本居宣長『字音仮字用格』1 此書は、漢字音の假字を正さん為に著せり、凡其字音、此方に古より傳用るところ、漢呉の二あり、又是に、近世傳る唐音と云ものを加へては三つ也、此三の音の事は、予別に漢字三音考を著して委く辨せり、さて此中に、彼唐音と云…

2007-03-13

■ 有坂秀世「江戸時代中頃に於けるハの頭音について-唐音資料に反映した」 私がここで論じて見たいのは、主として唐音資料に反映した江戸時代中頃のハの頭音の音価である。まづその資料について一通りの解説を試みる必要があらう。 我が国に於ける黄檗の宗…

2007-03-12

■ 有坂秀世「隋代の支那方言」(部分) 隋初に於ける支那の方言状態は、顔氏家訓音辞篇の左の記述によって大体知ることが出来る。「南方水土和柔、其音清擧而切詣。失在浮淺、其辭多鄙俗。北方山川深厚、其音沈濁而鈋鈍。得其質直、其辭多古語。然冠冕君子南方…

2007-03-11

■ 有坂秀世「入声韻尾消失の過程」(部分) 古代支那語の入声韻尾P,T,Kは、現代の閩(福州・厦門・汕頭・台湾等)粤(廣州・客家等)系統の諸方言では未だ保存されてゐるが、山西諸方言・南京方言・揚州方言及び呉方言の大部分(常州・蘇州・上海・寧波等)では…

幸田露伴「辞書」(『讕言』「話苑」)

■ [辞典類]幸田露伴「辞書」(『讕言』「話苑」) 吾が邦に元來辭書少し。近き頃やゝ體裁を具へたるものも出でぬにはあらざれど要するに「書物より造りし書物」に過ぎず。源氏狹衣の中の死語を索めなば直ちに得んも、日常用ゐ居れる語は或は洩れたり。例へば…

2007-03-09

■ 文法上許容すべき事項 昨日の官報文部省告示第百五十八号を以て、教科書の検定又は編纂に関し、文法上許容すべき事項左の如く定む 文法上許容すべき事項教科書の検定又は編纂に関し文法上許容すべき事項を定むること左の如し一、「居り」「恨む」「死ぬ」…

2007-03-08

■ 古語の復活「涙ぐまし」 第一次世界大戦のあとで世界的に人の心が、一方に唯物的になり他方には感傷的になった。そして天譴的關東大震災が日本をいましめた。その頃のセンチメンタリズムが一つの時代的概念を作って、その能記として『涙ぐまし-い」を生み…

2007-03-07

■ [外国人の日本語など]和田英『富岡日記』 「私この次どんたく(休日)一の宮まろ(参る)ありまっせん。中見たいあります」中公文庫*1、p58 明治7年のことを明治40年ごろに記録。 山形浩生さんによる電子テキスト*2http://cruel.org/books/tomioka/tomioka.htm…

2007-03-02

■ 重複削除 http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20050222/ツイートする

2007-03-01

■ 廣韻序 大宋重修廣韻一部凡二萬六千一百九十四言注一十九萬一千六百九十二字準景徳四年十一月十五日敕四聲成文六書垂法乃經籍之資始寔簡册之攸先自呉楚辨音隷古分體年祀寖遠攻習多門偏旁由是差訛傳寫以之漏落矧注解之未備諒教授之何從爰命討論特加刊正仍令…