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2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2013-06-05

■ 柳田国男「蝸牛考」方言出現の遲速 右に列擧した四つの事實が、幸ひに是からの立證によつて愈〻確認せられるものとすれば、次には個々の言葉の年齡といふものを、考へて見るのが順序である。今までの學者には、兎角古い語と正しい語と雅なる語と、この三つ…

2013-06-04

■ 柳田国男「蝸牛考」四つの事實 最初に方言の觀察者として、先づ少なくとも四つの事實が、我々の國語の上に現存するとを認める必要がある。是が又自分の「蝸牛」を研究の題目として、わざ/\拾ひ上げた動機をも説明するのである。 第一には方言量、斯うい…

2013-06-03

■ 柳田国男「蝸牛考」言語の時代差と地方差 國語の成長、即ち古代日本語が現代語にまで改まつて來た順序と、方言の變化即ち單語と語法との地方的異同と、この二つのものゝ間には元來どういふ關係があるのか。それを私はやゝ明かにして置きたい爲に、幾つかの…

2013-06-02

■ 柳田国男「蝸牛考」初版の序 前年東條氏の試みられた靜岡縣各村の方言調べ、又は近頃岡山縣に於て、島村知章君佐藤清明君等の集めて居られる動植物名彙などを見ると、言葉が相隣する村と村との間にも、なほ著しい異同を示す例が、日本では決して珍らしくな…

2013-06-01

■ 柳田国男「蝸牛考」改訂版の序 方言覺書を、一册の本にした機會に、暫らく絶腹になつて居た蝸牛考を、今一度世に問うて見ようといふ氣になつた。説明が拙なかつたと思ふ個所に少しく手を入れ、又附表の地圖を罷めて、やゝ排列の形式を變へて見た。その爲に…