国語史資料の連関

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2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

2010-02-28

■ 助数詞(卯花園漫録) ○枚といふ詞、分といふ詞の事、足あるものは一器といふ。右にても紙にても張ば一張といふ。蓋あるものは一分といふ。中へ物の入らざるものは一枚と云。太刀なども一枝と有り。貞觀式に、太刀の身一枝とあり。 ツイートする

2010-02-27

■ [表記]歌の懐紙の真似(卯花園漫録) ○絶句を三行三字、律詩を五行三字にかくといふは、歌の懐紙の眞似をして、五山の僧のしいだしたるなるべし。 ツイートする

2010-02-26

■ [人名]人名反切(卯花園漫録) ○名乘を反すといふ事、何者のしはじめたる事なる。今の世には、王公大人の定れる法のやうになれるは、上を學べぱなり。詞花集の頃よりと聞ゆ。異國に齊の明帝、ことの外に物をいまふ性にて、人の名を反したる事あり。それは…

2010-02-25

■ [語釈][待遇表現]【殿樣】(卯花園漫録) ○大名、貴人を殿樣と、世の人おしなべて云ならはせり。殿と稱する時は關白に限るなり。關白の人を殿下と稱す。又一の人といふ。一人と稱し奉るは天子の御事なり。一の上と申は左大臣なり。關白を殿下と稱するより…

2010-02-24

■ [語釈]【かたじけなし】(俚言集覧) (増)かたじけない 大坂詞 忝なきなり 目上の人へもありがたしと言はず忝いといふ かたじけなき かけまくもかたじけなきはちはやぶる神のみあれにあふひ也けり恐多き意かたじけなし〔續日本紀宣命〕辱彌(カタシケナミ) …

2010-02-23

■ [音韻]【よんべ】(卯花園漫録) ○ゆふべをよんべと言、返事をへいしといふは誤りにあらず。珠數をずゝといひ、又可v有といふ事をあんべいといふなど、皆源氏物語に見えたり。さすれば關東べいなどゝ譏る事にはあらざるべし。 ツイートする

2010-02-22

■ 【恰好】(卯花園漫録) ○物の形容の相應したる事を恰好と云也。恰好よく、又よき恰好といふは重言也。 ツイートする

2010-02-21

■ 【閼伽】(卯花園漫録) ○アカとは印度の詞に、水をアカといふ.。アカの水といふは重言成べし。 ツイートする

2010-02-20

■ [語源説]【かたな】(卯花園漫録) ○刀をかたなとよむは、片刃の轉語也と、貝原篤信申置れたれども、馬場信種考に、片薙の下略ならんと、此説よし。草薙は諸刃なれば也。 ツイートする

2010-02-19

■ 以呂波(卯花園漫録) 簾中抄曰、以呂波四十七字は本歌詞也。自v以迄v遠十二字、護命僧正作v之。自v和迄v末三十五字。弘法大師作v之。蓋本2梵字十二摩多三十五體文1。而統2四十七宇1。其讀也加v歌矣。云々。〔割註〕色はにほへどちりぬるを、わが世誰ぞ常…

2010-02-18

■ 依勅書以呂波(卯花園漫録) ○台記に、久安六年正月十二日、今日今麿參2御前1。依v勅書2以呂波1と有。此頃も童にいろはをかゝせし也。今麿は隆長卿のわらは名なり。 ツイートする

2010-02-17

■ [音韻]日本随筆索引 音韻 音韻論(難未八ノ一) 字音假名辨(海録一八ノ三〇九) 文字の音韻(鹽尻?三三ノ五六八) 字母(難未五ノ一) 四十三轉(難未三ノ) 四十一轉(難未五ノ二二) 圖徴(難未五ノ二〇) 四聲に泥むまじき事(難未五ノ二三) 單音、音便(老牛下ノ一三…

2010-02-16

■ [文字][言語教育]日本随筆索引 手習 手習といふは漢語なり(一話四一ノ二一) 手習は阪に車を押す如し(松筆七七ノ三二) いろはの出來ぬ前は手習始に難波津の歌と淺香山の歌を教へし事(南窓一ノ三九四) 依勅書伊呂波(卯花一ノ三〇九)* 手習師匠 手習師匠多く…

2010-02-15

■ [音韻]日本随筆索引 五十音 五十連音(晤語上ノ一) 経緯(北邊?一ノ九) 五十音の配字(松筆?一六ノ一五) 國音五十母子(藝苑?二ノ一ヨリ三六) 五十音、第六行第十行の音(老牛下ノ一四、一五) 五十音の本源(碩鼠?一ノ一) 五十音圖は悉曇に本づく(難江三ノ八〇) …

2010-02-14

■ 日本随筆索引 語音 (藝苑二ノ一〇) 音の存亡(北邊三ノ二七) ――の變遷(多波下ノ六) ――を異にするの失(一話一七ノ二三) 唐国の四聲(年々二ノ一四ヨリ一八) 平假字の四聲(海録一五ノ四一七) チとシと通ふ例(擁書二ノ一四)(松棟一ノ一九) ツとトと古言相通(筆…

2010-02-13

■ 日本随筆索引 言語 ことば、ことのは(玉か?一一ノ三六) 五音相通といふ事(多波?下ノ三) 日本支那印度の文字と――(随意?七ノ三) 土音の異(随意?八ノ一三) いつか其土地の――に變る事(甲子一一ノ一五〇) 朱墨、和唐紙など上下のうつりていつる詞種々(海録一〇…

2010-02-12

■ [文字]日本随筆索引 日本文字 日本文字 本朝の文字(白紳四ノ三)(世談一四五)(随意二ノ九) 我國文字傳來考(白遺考ノ二) 知字(牛馬一八)(閑耕四ノ三五)(蘿月三ノ二三〇) 和製の文字(燕石三ノ四三、六ノ一六) 上世の文字(海録一七ノ四七九) 上ツ代にも一種の…

2010-02-11

■ [言語意識史]史劇に現代語(長田秀雄) 現代語を以て書かれてゐる。これは當時に於ては大膽な試みであったが、その均齊調和の美は正に詩である。この作の上演以來、史劇に現代語が躊躇なく用ひられるやうになった。新潮日本文学大辞典 生田川(森鴎外)* ツ…

2010-02-10

■ [方言意識史]林正之助 昔ね、曽我廼家五郎という喜劇師がおったんです。これはね、蝶六といううまい芸のない人を、うまいこと三枚目に使ってね、東京へ行って、この人は満員だんね。宝塚の少女歌劇と五郎さんだけは東京で取りまんね。ということは、大阪の…

2010-02-09

■ [文字][表記]濁点の拡張 最近マンガでよく見る「あ゛ー」などというオフザケの表現も、既に三十年も前に平田は「ぬ゛ぬ゛」などとやっていた。 呉智英『マンガ狂につける薬』p.201 平田弘史http://d.hatena.ne.jp/kuzan/20070625/1182761048http://kotobak…

2010-02-08

■ [語釈]【神武以来】 神武以来という言葉がばかに流行する。一つには開闢以来という文字が事実上使用を禁止されているところから、誰かが思いついて神武以来ということになったものと思われるが、 高橋義孝『しかしながら』p.134ツイートする

2010-02-07

■ [漢字]地・底・的(原田道義『文學必要/助字解』) 地 事物を指す詞にて「かふ/\した「の」を――にすると云ふ「の」之字に充《あた》るなり 又(者)と云ふ意に似たり、[又]立地【「たちまちに」「たちどころ」】心地【こころもち」】忽地【たちまちに」…

2010-02-06

■ [方言意識史]関西弁はダメよ!!(弓月光) 「個人的好みで悪いけど わたし関西弁きくと虫ズがはしるの 学校ではつかわないでほしいわ」(中略)「先生すこし身勝手だと思います 方言つかうのくらいその人の自由でしょ?」(中略)「国語の教科書は方言で書い…

2010-02-05

■ [方言意識史]甲斐言葉 余が母抔は、甲斐に住みぬる時、常に猿などに物いふやうに恐ろしく覚えて居りしとかや 柳沢淇園「ひとりね」引用 阿部次郎『徳川時代の藝術と社会』p.85ツイートする

2010-02-04

■ [ここから広がった]【敬語】大槻文彦 「敬語」という語は、大槻文彦博士によってひろめられたといえるかもしれない。 松村明「敬語について」(國文學臨時増刊号 第十一巻 第八号)ツイートする

2010-02-03

■ [用字]エタへの当て字 語源も定かでなく、当時「えた」の音で呼ばれていたにすぎない彼らの呼称に「穢多」などというきわめて差別的な意味の濃い字があてられるようになったのは鎌倉時代も末期のことであったが、そのようなことをあえてしたものはけっして…

2010-02-02

■ [ここから広がった][国字問題]当用漢字の広がり 昭和三一年五月二七日の読売新聞に賞金三万円の「家中で考えましょう推理作文」が掲載されたのを始めとして、(中略) たとえば、読売新聞のクイズ応募注意には、入れる文字は当用漢字の範囲内で補正漢字を…

2010-02-01

■ [ここから広がった]【ああいえばこういう】 フジテレビの『お笑いタッグマッチ』のレフェリー春風亭柳昇の言葉。 『現代の流行語』 三一書房用例 江戸時代からあるツイートする