2010-02-25 2010-02-25 ■ [語釈][待遇表現]【殿樣】(卯花園漫録) ○大名、貴人を殿樣と、世の人おしなべて云ならはせり。殿と稱する時は關白に限るなり。關白の人を殿下と稱す。又一の人といふ。一人と稱し奉るは天子の御事なり。一の上と申は左大臣なり。關白を殿下と稱するより、すべて殿と稱す。執柄家の大臣は殿と稱すべきが、其餘は稱しがたきもの歟。しかしながら家來の人、主人を尊ていふは格別たるべきか。是内々の儀なり。他人に向て假初にも云間敷詞なり。又何某殿と書札などに書遣すは、先の人を敬して誰の殿ンといふ意なり。然るに、今は殿は輕くなり、様といふを重くなして賞翫す。殿は貴人ならで書まじき字なり。 ツイートする