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2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2005-10-31

■ [方言集]『福井県方言集』昭和六年 3 17:31 ナーモ|何も|「ナーモ」は「なんも」の訛|福 吉坂野今丹敦ナイ|・・・なさい(為なさい)|「ない」は「なさい」の略|足吉坂 敦ナウ|縫う|「ナウ」はぬうの訛|足吉坂野今丹 敦ナガタ|菜庖丁|「ナガタナ」は「な…

2005-10-30

■ [方言集]『福井県方言集』昭和六年 2 17:31 さ,ざ…ザ(アカンザ)|…よ(いけないよ)|「ザ」は「ぞ」の訛か|福足吉坂野丹南敦遠飯…サ(イヨサ)|…ヨ(居ようよ)|「サ」は「よ」と「さあ」との両意を含む|足今丹…サー(イコサー)|…よ(行こうよ)|「サ…

2005-10-29

■ [方言集]『福井県方言集』昭和六年 1 17:31 緒言一、本書は福井縣下に現在行はれてゐる方言を蒐集して、五十音の順に排列整理したものである、蒐集については主として本校生徒の手を煩はし、各自出身の郡市に行はれてゐるものについて、それに該當する標…

2005-10-25

■ [近代語]『梅暦』当時廓中の通言 22:22 『春色梅美婦禰』五篇巻十三 岩波文庫『梅暦』下 p405 作者|曰《いわく》、當時|廓中《くわくちう》の通言《ことばつかひ》を聞くに、古代の廓言葉《さとことば》と違ひ、多くは素人《しろうと》の娘のごとし。今|此…

2005-10-24

■ [近代語]明治の地方での東京語 23:02 森鴎外「青年」 田舎から出て来た純一は、小説で読み覚えた東京詞(ことば)を使うのである。丁度不慣(ふなれ)な外国語を使うように、一語一語考えて見て口に出すのである。そしてこの返事の無難に出来たのが、心中…

2005-10-23

■ [近代語]地方での東京語 23:02 太宰治「津軽」 興奮のあまり、その本州北端の一小都会に着いたとたんに少年の言葉つきまで一変してしまつてゐたほどでした。かねて少年雑誌で習ひ覚えてあつた東京弁を使ひました。けれども宿に落ちつき、その宿の女中たち…

2005-10-22

■[近代語]明治の地方での東京語 嵯峨の屋御室「野末の菊」(明治22年)、 元來此少女の語《ことば》は田舍語《ゐなかことば》が其|性質《もちまへ》です、然し東京を慕ッて居る心は其|語《ことば》をも慕ひます、ですから東京の人に對すると自然東京語で話さ…

2005-10-21

■ [方言意識史][東西対立]東西対立意識 22:55 上司小剣「死刑」http://plaza.rakuten.co.jp/amizako/diary/200510140001/ 総じて江戸は人間の調子が軽うて、言葉も下にござります。下品な言葉の上へ、無暗に「お」の字を附けまして、上品に見せようと企《た…

2005-10-10

■ [言語生活史]『旧事諮問録』大奥の事 10:15 第四回 明治二十四年四月二十三日大奥の事答問者 旧幕|中臈《ちゆうろう》箕浦はな子 同|御次《おつぎ》佐々鎮子岩波文庫による ◎問 将軍の御言葉はどういう風ですか。古本《ふるほん》で二代将軍の御言葉を見ま…

2005-10-08

■ [表記史]原田隆造の建言 達八年二月四日 第十七号院省庁府県諸布達の儀は事理辨知し易きを旨とし可成丈、平易の文字相用候様、注意可致此旨相達候事 左院上申七年十二月二十八日電信寮七等出仕原田隆造建言の趣、御布告文章認方通俗に読難く誤解し。甚しき…

2005-10-07

■ 柳河春三「布告の書面」 明治二年四月 議案録三小学校御用掛 柳河春三民間へ出る布告の書面に、細民の読難き文字の多きは、禁令の速に行はるゝを妨ぐるに足る、宜しく定三札の例に従ひ、可成丈仮名を用ひ、止むことを得ずして字を用るときは、傍訓を施す可…

2005-10-06

■ [外国人の日本語など]山本笑月『明治世相百話』 23:50 山本笑月『明治世相百話』「動物画の名人列伝 烏の糞と同居した暁斎」*あるとき上野の動物園で若い画家が虎を写生している所へ来合わせた立派なシナ人、「アナタその虎、飼った虎、容貌も温和、肉もや…