国語史資料の連関

国語史グループにあったブログ

2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2010-04-30

■ [言語生活]「うそ、ほんと、やだ」の三つ、1981 静岡の女の子は、間投詞を「うーそぉ、ほんと、やーだ」の三つしか持っていないとのこと。 平岡正明『タモリだよ!』CBSソニー出版1981.12.15 p.96 「三語族」と言われたのもこのころだが、「うそ、ほんと、…

2010-04-29

■ [まだ無かった]【じか箸】中村メイコ そもそも「お取り箸」ということばはあっても、「じか箸」ってことばはつい最近までなかったもの。 中村メイコ・神津カンナ『メイコとカンナのことばの取説』p.82ツイートする

2010-04-28

■ [方言意識史]「東京言葉さへ使うたら」(平山蘆江「唐人船」) この土地の人に限って、東京言葉のやうな言葉を使うて居ります。をかしなもんだすな。海軍さんの家族が多いさかい。島原や天草あたりから来た人でも、佐世保にゐる女の人は東京言葉を使うて居…

2010-04-27

■ 文字の関 文字のせき まだ越えやらぬ旅人は みちのおくをば いかで知るべき (説文を詠ず、棭斎) 慊堂日暦 天保四年三月十五日平凡社東洋文庫3 p.313 簡野道明『字源』「字源編纂の縁起」府川充男『印刷史/タイポグラフィの視軸―府川充男電子聚珍版』序…

2010-04-26

■ [学史]「連用言」(義門「和語説略図聞書」) 二連用言、これは「用につづく言」とよむつもり。是は「八衢」に「用言へつづく言」と毎々申してある。それを名目にして「連用言」と云うたもの。この文字の遣ひ方も念を入れて申しておく。つづく/\と云ふと…

2010-04-25

■ [文体]和漢混淆文(大町桂月) 鎌倉時代より起りかけし和漢混淆文は、一瀉千里の勢を以て、江戸時代の文壇に浸入し、史伝あり、史論あり、政治の論あり、哲学の書あり、道徳の書あり、小説あり、院本あり、当時の時文となりて、、今の世に及べり 『中村幸…

2010-04-24

■ [位相]書くまじき言葉をも書きたること多し(太閤記凡例) 詞いやしきのみにあらず。書まじきことばをも書たる事多し。人のよく聞なれたるを執用るにこそ。 新大系 5頁 『中村幸彦著述集4近世小説史』ツイートする

2010-04-23

■ [言語生活史]講談(江村北海『授業編』) 講談とても事によりては、註解を併せ説くことあれども、大方は、本文ばかりなるべし、大抵一章、もし長き章ならば、半章、又至て短き章ならば、二三章にもいたるべし、字義、文義をくわしく和解して、俗耳に入りや…

2010-04-22

■ [言語遊戯]「地口変じて語路となる」(大田南畝「俗耳鼓吹」) ○地口變じて語路となる。語路とは、ことばつゞきによりて、さもなき事の、それときこゆる也・たとへば、 九月朔日いのちはおしゝ【ふぐはくひたし、いのちはおしゝと、響のきこゆるなり。】 市…

2010-04-21

■ 「今日の女の子達が使っている言葉」(三田村鳶魚) 三田村鳶魚集七巻 江戸ッ子の話というのでありますが、まず江戸ッ子とはどういうものであるか、ということから申し上げたい。江戸ッ子ということ、これは江戸子ではいけないので、どうしても「ッ」の字…

2010-04-20

■ 漢学書生(亀田雲鵬・三田村鳶魚) 三田村鳶魚集七巻 漢学書生 明治の初年には先人|鶯谷《おうこく》が、下谷御徒町一丁目に塾を開いておりました。塾の名は稽古私塾、当時この辺は漢学書生の巣でした。二丁目の塩谷宕陰《しおのやとういん》、練塀町の島…

2010-04-19

■ [語学観]国語学(三宅花圃) 宮「さうか。國語學では葦男さんは年に似合ずよく出來るとの事だが。さうして見れば姉さんの力かネ。葦「ハイ亡父のをりました時に。姉は始終下田歌子さんの處へ通學致しまして。歌などの稽古をしたり。書《ほん》を讀んだりし…

2010-04-18

■ [方言意識史]大阪弁・関西弁 いわゆる大阪辯ではありません。近頃流行の関西辯というもので書きました。爲念。 京都伸夫「大阪の戀人」『大阪辯』第六輯(昭和26.8) p.168 ツイートする

2010-04-17

■ 言海語種 和語 漢語 外来語 和+漢 漢+和 外来混種 他 全体 あ全 1409 115 38 96 19 20 2 1699 い全 1290 356 7 69 74 6 1 1803 う全 1067 86 9 43 14 11 1 1231 え全 114 134 8 10 41 2 1 310 お全 902 54 6 64 38 12 1 1077 か全 1722 581 51 66 64 97 3 …

2010-04-16

■ [学史]古言梯標註後序 古言梯標註後序 ふるごとまなびのをしへ、ひらけそめてより、かなづかひのふみどもこれかれとおほかれど、古言梯にまさるべきはたあらざりけり、それがなかにも、いさゝかあやまれることあるを、村田大人のかうがへたゞされしうへ、…

2010-04-15

■ [外来語]言海の外来語と外来語との混種語 (未完成) アイゼン,愛染,梵語アイノ,,蝦夷語アカ,閼伽,梵語あかガッパ,赤合羽,アカとり,,梵語+和語あくマ,悪魔,漢語+梵語アコ,下火,宋音アザリ,阿闍梨,梵語アジャリ,阿闍梨,梵語アシュラ,阿修羅,梵語アシュラ…

2010-04-14

■ [学史]仙源抄跋 抑文字つかひの翦、此物語(源氏物語のこと)を沙汰せんにつきては、心うべきことなれば、ついでに申侍べし。中頃定家卿さだめたるとかいひて、彼家説をうくるともがらしたがひて用るやうあり。おほよそ漢字には四聲をわかちて、同文字も習…

2010-04-13

■ [学史]仮名文字遣序 京極中納言【定家卿】家集拾遺愚草の清書を祖父河内前司【于時大炊助】親行に誂申さ春る時、親行申て云、を・お・え・ゑ・へ・い・ゐ・ひ等の文字の聲かよひたる誤あるによりて、其字の見わきがたき事在之。然間、此次をもて後學のため…

2010-04-12

■ [学史]軽重(静舎随筆) 言葉に清濁のふたつと。重き軽きの二は必ある也。もの皆清濁重きかるきあるは。即陰陽にして。天地おのつからのことわりなり。今のたゝことゝいへとも。清濁おもき軽きなき時は。分るへからす。古書に仮字つかひわけたるも専ら其事…

2010-04-11

■ [学史]軽重(安藤昌益 稿本自然真営道 第七 私法仏書巻) 音韻ノ清濁ト言フハ、自然・一気ノ進退、小大・厚薄ノ名ナリ。自然・一気、小進シテ木発生ノ気ハ、小厚気ニシテ小濁ナリ。厚《アツキ》ハ重《ヲモ》シ。薄《ウスキ》ハ軽《カロ》シ。小厚ハ小重ナ…

2010-04-10

■ [学史]軽重(和字解) ○お於 是を「おくのお」といふ。一字の訓咽より出るおもきよみこゑの上の字ごとに、大の字と御の字付たる字、是おもきかななり。○一字の訓とは、男雄尾御〓面、此類「おくのお」なり。是等の字上に有ても下に有ても。「お」の字書べ…

2010-04-09

■ [学史]軽重(北辺随筆) こゑの軽重をうしなへる事多きによりて、いよ/\仮名づかひの事、しげくなれり。軽重とは、はひふへほの、わゐうゑをにまがふ事なり。 軽重 http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20050103ツイートする

2010-04-08

■ [学史]軽重(和字解) ○を遠 是を「中のを」といふ。上にあつても、よみこゑかろき所に用ゆ。小の字をことよむかな、是かろきなり。又訓の中下右四品中のをの字用ゆべし。皆くちびるより出るかろきかななり。上にありてかろきよみこゑの字とは、咽より出ざ…

2010-04-07

■ [学史]軽重(和歌童翫抄) わつか成 いろはの内におなじこゑ あるは かろきと おもき音なり(中略)はじめの歌は、いろは四十七字の内 いゐ をお 江ゑと同じこゑのあるは、「い」はかろく「ゐ」はおもし。「を」はかろく「お」はおもし、「江」はかろく「…

2010-04-06

■ [学史]軽重開合(和字大観鈔) 音に軽重と開合との差別あり。いにしへかな使をさだめられける時。あながちに。軽重開合のをしへもきこえざれども。後よりをしきはむれば。軽重開合のわかちにて。さだめたる物と見ゆ。いをえは。開の軽きに用ひ。ゐおゑは合…

2010-04-05

■ [学史]いろはの文意(和字大観鈔) 以呂波は。涅槃經?の諸行無常。是生懺法。生滅々已。寂滅〓楽〓。四句の文の意を。つゞり玉へるなりとそ。色ハ〓〓散去ルヲ。我世誰ゾ有常。有為ノ奥山今越テ。淺キ夢不見。酔も不〓との。其詞に作り給へり。是を隠して…

2010-04-04

■ [学史]あかさたなはまやらわの次第は。輕きより重きに至る(和字大観鈔) 横のあかさたなはまやらわの次第は。輕きより重きに至るなり。あかさは。喉牙歯の音にて。わをひらきて軽く出る音なり。たなの二つは。下のはたらきすこし用ゆる音なり。はまのふた…

2010-04-03

■ [学史]あいうえをは浅喉、わゐうゑおは深喉(和字大観鈔) 唇音は。もとより軽唇重唇とて。韻鏡の上にも二品わかれて。むつかしき事あれば。其音も一様ならず。和音もはひふへほと。まみむめもと。軽重二しなあるなり。又喉音は。惣じて音の根本。皆喉より…

2010-04-02

■ [学史]かな書に重き軽き有(假奈津可飛?) かな書に重き輕き有て、事の分を口にはしるといへども、かなづかひの差別はさらにあらざりしを、河内守親行かなをかき分てあまねく人にしらせんとて一册をつくりをかれしより、かなづかひは定れりとなり。 軽重 …

2010-04-01

■ [学史]華音を以て軽重を分つは無相師に始まれり(韻学筌蹄) 軽重 附 行の單複軽重のこと、華音を知らざれば弁ずべからず。軽重と云は複行の所にある呼法の差別なり【呼法とは字を唱ふる時の口中のはこびを云ふ】韻図に單複行の称あり。或る韻学家の譯に、…