国語史資料の連関

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2010-04-08

[]軽重和字解軽重(和字解) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 軽重(和字解) - 国語史資料の連関 軽重(和字解) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

○を遠 是を「中のを」といふ。上にあつても、よみこゑかろき所に用ゆ。小の字をことよむかな、是かろきなり。又の中下右四品中のをの字用ゆべし。皆くちびるより出るかろきかななり。上にありてかろきよみこゑの字とは、咽より出ざるかろきこゑの字をいふ。○「をく置」「をそし遅」「をか岡」「をみなへし女郎花」「をのつから自」「をの/\各」「をこなふ行」「をくるる後」「をよそ凡」「をす押」「をる折」「をはる終」「をろか愚」「をなじ同」此類なり。○音は億《をく》音《をん》の類皆形體なくして輕き音なり。

○又應翁などの咽より出るおもきこゑは、「おう」と書べし。「を」の字書べからす。又上に有ておもき字に「お」の字をかけども、其上につゞき字あればかろくなるゆゑに、「を」の字を書事あり。「おとこ」には、「おくのお」なれども、「まめをとこ」とつゞけば、中の「をの字」書べし。「おろし」「山をろし」同じ。此類おほかるべし。

てにはの「を」は、「ひとゝせを」、「とまをあらみ」、「ひとをうらみ」、「物を思ふ」、「かすみをあはれひ」、此類てにはの「を」の字をつくるに、皆「中のを」の字を用ゆ。かろきゆゑなり。

軽重