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1693-01-01から1年間の記事一覧

1693-03-23

■ 和字正濫鈔 巻五 此國の俗にていはゞ「天」はもと平聲なるを。常に「天」といふ。是にて叶へり。「天地」・「天下」・「天子」・「天氣」なといふ時も同し。「天文冬」。又「天文の博士」などいふ時は・音便上聲なり。「天王」・「天女」・「天神」・「天…

1693-03-22

■ 和字正濫鈔 巻五 四聲の聲をさすことかくのことし。」例をいはゞ、公平孔上貢去谷入、かくのことし。平聲は聲の本末あからすさからす、一文字のことくして長し。上聲は短かくして、すくにのほる。去聲はなまるやうに聲をまはす。入聲は下にふつくちきの音…

1693-03-21

■ 和字正濫鈔 巻五 寳は玉篇に、補道切とあれは、音「波宇」なれど、呉音は「保宇」なるにや。萬葉に「保」に用たり、方は甫亡切にて、呉漢共に「波宇」なれはにや、「波」に用たり。呉音に附たる字書なけれは、呉音は委しくは知かたし。古書を考て知へき事…

1693-03-20

■ 和字正濫鈔 巻五 水は玉篇に尸癸切なれは、音尸《シ》なるを、「須以」とよむ事、其理あるへしツイートする

1693-03-19

■ 和字正濫鈔 巻五 假名にて音をかくに紛るゝは、「い・ゐ」等は假名の法のことし。「いう」、「ゆう」、かやうに下に「うもじ」つきたるは、音便おなじやうに聞ゆる故に、迷ひやすきに。入聲の「葉えふ」「攝せふ」等の「ふもじ」さへ、又「う」と聞ゆれは…

1693-03-18

■ 和字正濫鈔 巻五 哥に、「吉野なる」、「難波なる」なとよむは。「吉野にある」、「難波にある」なり。仁阿反、奈なれは、つゞめていへり。萬葉に、「吉野在《ナル》」、「春日尓有《ナル》」とやうにかけり。「みもあれ見すもあれ」を。「みまれ見ずまれ…

1693-03-17

■ 和字正濫鈔 巻五 木菫を「むくけ」といふは、木欒子《モクランシ》を「むくれにじの木」、木工頭を「むくのかみ」といふかことし。ツイートする

1693-03-16

■ 和字正濫鈔 巻五 「子日」は日の字濁りていふへきことわりなけれと、濁るは故實なり。清ていはゞ、子の日は常にもあり、聞きよくもあらねはなるへしツイートする

1693-03-15

■ 和字正濫鈔 巻五 年をは、「とし」といへと、一年二年より萬年まて皆「とせ」といへり。矢橋をは、「やはし」とも、「やはせ」とも兩方にいふも、是になすらふへしツイートする

1693-03-14

■ 和字正濫鈔 巻五 哥には、「けす」を「けつ」。「ふさく」を「ふたく」とよめり。哥にも常にも「はしる」といふを。書には「わしる」と讀習へり。はわ同韵にて通す。ツイートする

1693-03-13

■ 和字正濫鈔 巻五 愛宕【あたこ:おたき】、此「あ」と「お」とかよふ樣、人に尋ぬへし。「たわゝ」を「とをゝ」といひ、「わなゝく」を「をのゝく」といふ。此「わ」と「を」と通ふ樣もおなし。ア×ヲワ×オかくのことくすみちかへにかよへり、犬【いぬ:ゑぬ…

1693-03-12

■ 和字正濫鈔 巻五 はひふへほ。此五字は音便によりて清濁の間の音あり、いはゆる。天牛葛伯。玄賓八臂。貧冨匹夫。輪扁雪片。贋本七寳。此類なり。皆上に雪等のつがなの入聲と。天《テン》等のはね字とにつゞく時、かくのごとし。唐音を聞に、音便をまたず…

1693-03-11

■ 和字正濫鈔 巻五 濁らるゝもじはかきくけこ。さしすせそ。たちつてと。はひふへほ。此廿字なり。和語に初より濁る言なし。斑《ブチ》駒《ゴマ》【日本紀】、錢《ゼニ》、此類すこしあれど。後にいたりての事なるへしツイートする

1693-03-10

■ 和字正濫鈔 巻五 あお。此ふたつは下につかず。らりるれろのいつゝは。和語において上にたつことなしツイートする

1693-03-09

■ 和字正濫鈔 巻五 何ろふといふ言の類 炎 萬葉 かけろふ 蜻蛉 かけろふ 梟 ふくろふ 和名右は「衰おとろふ」「拾ひろふ」なといふに。「拂はらふ」「捕とらふ」なといふ。〈まがひ〉をわきまへむためなり。「おとろへ」、「ひろひ」、「はらひ」、「とらへ…

1693-03-08

■ 和字正濫鈔 巻五 右、「ち」よりこなたの四もじ。都方の人の常にいふは。「ち」の濁りは「じ」となり。「つ」は「ず」となる。田舍の人のいふは。「じ」は「ぢ」となり。「ず」は「づ」となる。「ぢ」と「づ」とは、あたりて鼻に入るやうにいはざればかな…

1693-03-03

■ 和字正濫鈔 一 いろは略注ツイートする

1693-03-02

■ 和字正濫鈔 片假名といふ中に、チ子ヰ等の全字あるは。多分に付て名付たるなり。吉備公の作などいへど、させる證なし。若常のいろはと共に、弘法大師の作り給へる歟。狹衣に片假名にて哥をかけるよしあれば。その比よりもはるかのさきに出來たることなるべ…

1693-03-01

■ 和字正濫鈔 一 片假名字體ツイートする

1693-02-28

■ 和字正濫鈔 いろは字体ツイートする

1693-02-27

■ 和字正濫鈔 右の図、梵文に准らへて作れり。西域記に諸仏説法の音声、中天竺に同しといへり。韻鏡序にも。胡僧反切の妙を中華の僧に伝ふといへり。此胡僧といふは。いにしへ胡国天竺のわかちをわきまへざりし時、天竺をも胡国といひける故。後に能わきまへ…

1693-02-26

■ 和字正濫鈔 五十音圖ツイートする

1693-02-25

■ 和字正濫鈔 一 梵字の学を悉曇といふ。悉曇は梵語、此には成就と飜す。是に依て世間出世間の一切の事を成就すればなり。其字母四十七字あり。初に十二字あり。摩多の字といふ。摩多、此には母と翻す。又点画とも韻ともいふといへり。和語のために其要を取…

1693-02-24

■ 和字正濫鈔 一 次に文字の様を知べし。梵字は劫初に梵天王天竺に来下して作らるゝ故に。梵字と名付たり。但是は縁起の上にていへり。実には此声字法然として本有なり、此故に、法身如来大日経金剛頂経の中に、字輪品字母品を説たまへり、釈尊も。華厳。涅…

1693-02-23

■ 和字正濫鈔 一仮名の様を知らむと思はゞ、先声の出る初の様を知べし。もろこしの韻学は、すべて知侍らず。天竺の悉曇《しつたん》も、わづかに梵字をかくやうを習ひたるばかりにて。はか/゛\しき事は知侍らねど。此国は天竺には遠ながら。声はかへりて能…

1693-02-22

■ 和字正濫鈔 一 世に行阿といふ人の仮名文字遣といふ物ありて、其序に云、 京極中納言【定家卿】家集拾遺愚草の清書を祖父河内前司【于時大炊助】親行《ちかゆき》に誂《あつらへ》申されける時、親行申て云。「をお」・「えゑへ」・「いゐひ」等の。文字の…

1693-02-21

■ 和字正濫鈔 日本紀中訓「言語」等字云「末古登」。「末」者「真」也。美言之詞。猶「木」云「真木」、「玉」云「真玉」之類。「古登」者与「事」字訓義並通。蓋、至理具事翼輪相双。有「事」必有「言」。有「言」必有「事」。故「古事記」等常多通用於心無…