国語史資料の連関

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2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2005-03-31

■ [表記史]里見弴「手紙」 02:16 歩いたところでタント面白いこともない」(中略)「タント」と片仮名で書くのは一寸感じが出る。 (明治文学全集P201)里見弴ツイートする

2005-03-30

■ [言語生活史][人名]『南留別志』262「名乗を反す」 一 名乗を反すといふ事、何者のしはじめたる事なる。今の世には王公大人の定れる法のやうになれるは、上をまなべばなり。詞花集の比よりと聞ゆ。異国には、斉の明帝の、ことのほかに物をいまふ性にて、人…

2005-03-29

■ [学史][方言史][方言意識史]「古の詞」南留別志32 一 古の詞は、多く田舎に残れり。都会の地には、時代のはやり詞といふ物、ひた物に出来て、ふるきは、みなかはりゆくに、田舎人は、かたくなにて、むかしをあらためぬなり。此比は、田舎人も、都に来りて…

2005-03-28

■ [方言史]『物類称呼』巻五「言語」「呵らるる」 23:06 ○[呵らるゝ]といふ事を長崎にて[○がらるゝ]と云 薩摩にて[○がらりうばあ]と云【是は[しかられん]なり】 肥後にて[○をぐる]と云 房総辺にて[○をださるゝ]と云 尾州より遠州辺[○をめる]と云 是を[汗面]…

2005-03-27

■ [方言史]物類称呼序 22:51 二條のおとゝの筑波集に「草の名も所によりてかはるなり」といふ句に救済法師「なにはの芦もいせの浜荻」と附しにもとづぎて諸国の方言の物ひとつにして名の数々なるたぐひを採り選ひて五の巻とはなりけらし.そも/\いにしへを…

2005-03-26

■ [方言史][方言意識史]本居宣長『玉勝間』巻七「ゐなかにいにしへの雅言《ミヤビゴト》のゝこれる事」 すべてゐなかには、いにしへの言のゝこれること多し。殊にとほき國人のいふ言の中には、おもしろきことゞもぞまじれる。おのれとしごろ心をつけて、遠き…

2005-03-25

■ [方言史]十返舎一九「膝栗毛後篇凡例」 古代の詞は却って田舎に残れリと、徂徠翁の謂たり 【参考】花園兼定『洋学百花』*p.316ツイートする

2005-03-24

■ [言語生活史]五音相通の言葉はやる(『大江戸春秋』) 02:18 『大江戸春秋』三田村鳶魚『未刊随筆百種』第二〇巻(新編一一巻)pp.400-401 (明和年間) 五音相通のこと葉はやる、 とんだ茶釜がやくはんとはける、 ツイートする

2005-03-20

■ [方言]周圏・田舎人の語 賀茂真淵「冠辞考」「いなのめの」 ゐなか人の語は、語のよく通ひてむかしも今もことならぬこと多し。 鏡味明克「方言史をどうとらえるか」『日本語学』1983-11ツイートする

2005-03-19

■ [字音資料]唐音《たうゐん》(斎藤彦麻呂『傍廂』前編) 18:01 皇朝にて、改め直されたる漢音《かんをん》を、もとより外戎より伝へし韻《いん》なりと思ふは非なり。大学論語など、タイカク、リンギョとよむは漢音なり。ダイガク、ロンゴとよむは呉音なり…

2005-03-18

■ [表記史]いろは文字(斎藤彦麻呂『傍廂』) 17:18 書史会要《しよしくわいえう》にいはく、日本国於2宋景徳三年1。嘗有v僧入貢。不v通2華言1。善2筆札1。命以牘対、名寂昭。彼国自国字母僅四十七。能通識之便可v解2音義1。この景徳と云ふは、外戎の宋《そ…

2005-03-17

■ [学史]重言《かさねことば》の略《はぶき》ぶり(斎藤彦麻呂『傍廂』) 17:01 師翁の玉勝間《たまかつま》に、古今集の「月夜《つきよ》よし夜よしと人に告《つげ》やらば云々とあるは、月夜よし月夜よしとかさねて謡ふべきを、五七|言《こん》のしらべに…

2005-03-16

■ [言語生活史]四十八字《いろは》新聞紙(明治事物起原 第八) 16:49 四十八字新聞紙は、半紙倍版の木版一枚褶りにて、第一号は明治六年第一月の発行、本局は、本所相生町五丁目二十一番地新々社なり。発行を広く知らしめるための、びらあり。まいにちひら…

2005-03-15

■ [近代語]明治初年の著訳書(明治事物起原 第八) 16:45 明治十一年十二月刊行『溺濘叢談』第一号、末広重恭の「著書翻訳は時勢に従ふの論」の中に左のごとくいへり。(節約) 「今日、木版に刻し、活字に刷し以て世上に発行する者、殆ど汗牛充棟に至る、然れ…

2005-03-14

■ [学史]橋爪貫一(明治事物起原 第八) 16:41 橋爪貫一は、幕府の末、軍艦役並見習を勤めし海軍軍人にて、『幕末明治新聞全集』第五巻尾佐竹猛氏の解題にあるごとし。『内外新報?』『公私雑報?』『日々新聞?』『開智新報?』および『東京新報?』の編輯に従ひ…

2005-03-13

■ [学史]芳賀矢一「徳川時代に於ける国学の趨勢」 00:23 国学といふことは、勿論古い時代にはないことでありまして、徳川時代から始まった語でありますが、この徳川時代は御存じの通り漢学が非常に盛な時代でありまして、儒教と云ふものが全く教育の中心にな…

2005-03-11

■ [表記史]文字は右行か左行か(明治事物起原 第八) 16:00 東京の中にて、代表的の中心地帯、日本橋の南詰にある両銀行、隣りあひながら、一つは左より読み、一つは右より読む額看板を掲げおけり。 隣同士ならまだよしとして、省線山ノ手電車内に、右読みの…

2005-03-10

■ [言語生活史]「ですなあ」訛(水上滝太郎「芥川竜之介氏の死」) 10:48 文壇の人は好んで「いいですなあ。」とか「感心するですなあ。」とか「怪《け》しからんではないですか。」とかいうような言葉を使う。軍人が、東京生れたると東北生れたるとを問わず…

2005-03-09

■ [国字問題]大槻文彦への天誅葉書 10:41 『新聞集成/明治編年史』十三巻 p.439 臨時仮名遣調査委員会?について、「言海と相背戻する處多く」などと。ツイートする

2005-03-08

http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20030215と重複ゆえ削除ツイートする

2005-03-07

■ [辞典類]日本辞書の始め(明治事物起原 第七学術) 未完本ながら、明治四年に公刊せる『語彙』は、新式日本辞書と見るべきものなり。大槻先生『言海』の跋文中に、八年二月二日、本省報告課に転勤し、ここに始めて日本辞書編纂の命あり、……これより先に、…

2005-03-06

■ [近代語][外国人の日本語など][横浜言葉]重久篤太郎「横浜方言洋語考」 20:59 『外来語研究』11(p7383)所収。(重久氏は1984年没で、著作権保護期間中) 言及文献 Japan Punch? 明治7 Hamlet 横浜言葉(『横浜市史稿 風俗篇』) 明治12 Bishop Homoko?(マ…

2005-03-05

■ [表記史]古事類苑 文學部 一 文字 23:14 名稱偏傍? 點畫?重點上古無文字?神代字?肥人書 薩人書?新字眞名 萬葉假名假名和字男手 女手片假名平假名 伊呂波京字假名手本? 我國上古文字なし、應神天皇の朝に始て漢字を傳へて之を用ヰる、或は云ふ、神代より文…

2005-03-04

■ [言語生活史]日本最初の盲唖院(明治事物起原 第七学術) (一) 海外の紹介 『柳川日記』万延元年五月十一日、ネウヨルクの条に、「盲目には、紙に文字を高くすり出し、是を以て教ゆる也」と、凸字のことを記し、『岡田小記』にも、慶応元年九月二十日、仏…

2005-03-03

■ [言語生活史]独逸語を必修語となす(明治事物起原 第七学術) 明治四年以後、本邦の医道は、独逸流を宗とし、独逸は学界に重きをなせるが、同十四年九月五日、帝国大学理・文二科も、自今、独逸語を必修語とせり。元来、英語を主とし、独仏二国語は、各自…

2005-03-02

■ [言語生活史]独逸語の演説会(明治事物起原 第七学術) 「これ迄、英語演説会は、東京大学三学部を始め、間々各所に行はれたりしが、独逸語演説会に至ては、未だ曾て行はれず、識者の遺憾とする所なりしが、聞く所に拠れば、今般、医学部生徒が打寄りて、…

2005-03-01

■ [学史]独逸語の始め(明治事物起原 第七学術) 加藤弘之は、天保七年但馬出石に生まれ、坪井為春について蘭学を習ひ、幕府の蕃書調所時代に、西周とともに、そこの教師となれり。万延元年(年二十五歳) の頃より、独逸は、西洋各国中にても、学術のもつとも…