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2005-03-29

■ [学史][方言史][方言意識史]「古の詞」南留別志32

一 古の詞は、多く田舎に残れり。都会の地には、時代のはやり詞といふ物、ひた物に出来て、ふるきは、みなかはりゆくに、田舎人は、かたくなにて、むかしをあらためぬなり。此比は、田舎人も、都に来りて、時の詞を習ひつゝゆきて、田舎の詞もよきにかはりたりといふは、あしきにかはりたるなるべし。


鏡味明克「方言史をどうとらえるか」『日本語学』1983-11