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2005-01-01から1年間の記事一覧

富士谷御杖『北邊隨筆』物語ぶみの詞

■ [学史]富士谷御杖『北辺随筆』物語ぶみの詞 20:07 ○物語ぶみの詞宇都保物語は時代作者ともに詳ならねど、源氏物語絵合の巻に、「竹とりのおきなに、うつぼのとしかげの巻をあはせて、と古物語に列せられたり。げにおほかたの事がらも、詞づかひなども、ふ…

富士谷御杖『北邊隨筆』詞の時代

■ [学史]富士谷御杖『北辺随筆』詞の時代 20:07 〇詞の時代おほよ詞の時代そ歌のすがた、よゝにうつりたるを、亡父これを六運にわかてり。挿頭抄のはしがきにくはしくみえたり。【亡父が著述の書なり。】此六運に、自創の体をくはへて、七体七百首をよめるを…

富士谷御杖『北邊隨筆』経緯

■ [学史]富士谷御杖『北辺随筆』経緯 20:07 〇経緯【五十韻をいふ。亡父つねにかくいはせたるなり。】の本は、悉曇家には阿字なり。おのれおもふに、五十のこゑ、みな口をひらきて後きこゆ。口を閉ぢながらこゑあるは、ンなり。此ンのこゑ、さながら口をひら…

藤貞幹『好古小録』訓読

■ 藤貞幹『好古小録』下 〔九〕 日本紀、古来は全篇訓讀の書に非ず。故に、建久年中の本、及桃華の御本、皆をこと點を付るのみ。されば日本紀の假名と稱するは、私記等の訓也。今の印本の如く悉訓讀せしには非ず。悉く訓讀をなすは、日本紀を讀む爲に作りし…

2005-12-05

■ [語釈]山東京伝『骨董集』かくれあそび 11:48 〔十一〕かくれあそび〔宇都保物語〕初秋《はつあき》の巻《まき》に云、「草《くさ》のなかに、笛《ふえ》の音《ね》のし侍《はべ》るを、たづねてなむ、うへ{朱雀院也}、{同御詞}草笛《くさぶえ》をこそ…

富士谷御杖『北邊隨筆』訓読

■ [学史]富士谷御杖『北辺随筆』訓読 20:07 〇訓読好古小録と云ふものに、【藤貞幹著】「日本紀、古来は、全篇訓読の書にあらず。故に、建久年中の本、及、桃華の御本、皆ヲコト点をつくるのみ、されば日本紀の仮名と称するは、私記等の訓なり。今の印本のご…

富士谷御杖『北邊隨筆』脚結のをもじ

■ [学史]富士谷御杖『北辺随筆』脚結のをもじ 20:12 〇脚結のをもじをといふ脚結の事、【脚結とは、世にいふてにをはの事なり、亡父かくいはせたるなり。】亡父成章いへらく、酒はのむためにかみ、ふみはみむためにつくれる物なるが故に、さけをのみ、書をみ…

2005-12-02

■ [辞典類]松井簡治「辞書と歴史研究」など 00:39 「辞書と歴史研究」*「辞書」* 『大日本国語辞典』*ツイートする

2005-12-01

■ [国字問題]国語調査委員会『国字国語改良論説年表』明治37年 17:00 kokujinenpyo.pdfツイートする

2005-11-30

■ [学史]富士谷御杖『北辺随筆』御国言 20:09 〇御国言古事記、垂仁の御巻に、品牟都和気《ホムツワケノ》命の御事をば、「是御子、八拳鬚《ヤツカヒゲ》至2心前《ムナサキ》1真事《マコト》登波受《トハズ》、中略 物言如v思爾而勿2言事《モノイフコト》1。…

2005-11-20

■ [外国人の日本語など]『自叙益田孝翁伝』中公文庫 23:06 p70 当時横浜で商売をしておった西洋人は日本語が出来ず、日本人は外国語が出来ない。それがどうして取引きをしておったかというと、外国商館のコムプラドルをしているシナ人が、ビジョン・イングリ…

2005-10-31

■ [方言集]『福井県方言集』昭和六年 3 17:31 ナーモ|何も|「ナーモ」は「なんも」の訛|福 吉坂野今丹敦ナイ|・・・なさい(為なさい)|「ない」は「なさい」の略|足吉坂 敦ナウ|縫う|「ナウ」はぬうの訛|足吉坂野今丹 敦ナガタ|菜庖丁|「ナガタナ」は「な…

2005-10-30

■ [方言集]『福井県方言集』昭和六年 2 17:31 さ,ざ…ザ(アカンザ)|…よ(いけないよ)|「ザ」は「ぞ」の訛か|福足吉坂野丹南敦遠飯…サ(イヨサ)|…ヨ(居ようよ)|「サ」は「よ」と「さあ」との両意を含む|足今丹…サー(イコサー)|…よ(行こうよ)|「サ…

2005-10-29

■ [方言集]『福井県方言集』昭和六年 1 17:31 緒言一、本書は福井縣下に現在行はれてゐる方言を蒐集して、五十音の順に排列整理したものである、蒐集については主として本校生徒の手を煩はし、各自出身の郡市に行はれてゐるものについて、それに該當する標…

2005-10-25

■ [近代語]『梅暦』当時廓中の通言 22:22 『春色梅美婦禰』五篇巻十三 岩波文庫『梅暦』下 p405 作者|曰《いわく》、當時|廓中《くわくちう》の通言《ことばつかひ》を聞くに、古代の廓言葉《さとことば》と違ひ、多くは素人《しろうと》の娘のごとし。今|此…

2005-10-24

■ [近代語]明治の地方での東京語 23:02 森鴎外「青年」 田舎から出て来た純一は、小説で読み覚えた東京詞(ことば)を使うのである。丁度不慣(ふなれ)な外国語を使うように、一語一語考えて見て口に出すのである。そしてこの返事の無難に出来たのが、心中…

2005-10-23

■ [近代語]地方での東京語 23:02 太宰治「津軽」 興奮のあまり、その本州北端の一小都会に着いたとたんに少年の言葉つきまで一変してしまつてゐたほどでした。かねて少年雑誌で習ひ覚えてあつた東京弁を使ひました。けれども宿に落ちつき、その宿の女中たち…

2005-10-22

■[近代語]明治の地方での東京語 嵯峨の屋御室「野末の菊」(明治22年)、 元來此少女の語《ことば》は田舍語《ゐなかことば》が其|性質《もちまへ》です、然し東京を慕ッて居る心は其|語《ことば》をも慕ひます、ですから東京の人に對すると自然東京語で話さ…

2005-10-21

■ [方言意識史][東西対立]東西対立意識 22:55 上司小剣「死刑」http://plaza.rakuten.co.jp/amizako/diary/200510140001/ 総じて江戸は人間の調子が軽うて、言葉も下にござります。下品な言葉の上へ、無暗に「お」の字を附けまして、上品に見せようと企《た…

2005-10-10

■ [言語生活史]『旧事諮問録』大奥の事 10:15 第四回 明治二十四年四月二十三日大奥の事答問者 旧幕|中臈《ちゆうろう》箕浦はな子 同|御次《おつぎ》佐々鎮子岩波文庫による ◎問 将軍の御言葉はどういう風ですか。古本《ふるほん》で二代将軍の御言葉を見ま…

2005-10-08

■ [表記史]原田隆造の建言 達八年二月四日 第十七号院省庁府県諸布達の儀は事理辨知し易きを旨とし可成丈、平易の文字相用候様、注意可致此旨相達候事 左院上申七年十二月二十八日電信寮七等出仕原田隆造建言の趣、御布告文章認方通俗に読難く誤解し。甚しき…

2005-10-07

■ 柳河春三「布告の書面」 明治二年四月 議案録三小学校御用掛 柳河春三民間へ出る布告の書面に、細民の読難き文字の多きは、禁令の速に行はるゝを妨ぐるに足る、宜しく定三札の例に従ひ、可成丈仮名を用ひ、止むことを得ずして字を用るときは、傍訓を施す可…

2005-10-06

■ [外国人の日本語など]山本笑月『明治世相百話』 23:50 山本笑月『明治世相百話』「動物画の名人列伝 烏の糞と同居した暁斎」*あるとき上野の動物園で若い画家が虎を写生している所へ来合わせた立派なシナ人、「アナタその虎、飼った虎、容貌も温和、肉もや…

2005-07-11

■ [辞典類]俚言集覽凡例 21:51 俚言集覽原書凡例 一 俚言郷語自つから善謠あり 此方古人の口より出て移徙流轉するあり 亦西土載籍に原いて里巷の常言となるあり 今聞ま丶に編輯する故に取次これを載す 一々出處を據援せず一 此集鄙俗を先として雅馴を後とし…

2005-06-25

■ [学史]岡島何羨子 16:16 『韻鏡井蛙抄』(享保五年)を著わした、何羨子 岡島道高と思われる人物を見かけたので記しておく。中野三敏先生蔵の『享保癸卯/新正試筆』享保八年刊。内題は「新正試筆」、柱には「癸卯元旦」。篠崎東海(ここでは、「東海逸民篠…

2005-06-21

■ [表記史]岡田真澄「仮名考」(国語学大系) 18:02 kanako.pdfツイートする

2005-06-20

■ [表記史]太宰春台「倭楷正訛」 15:58 wakaiseika.pdf(国語学大系)ツイートする

2005-06-19

■ [表記史]新井白石『同文通考』(板本・新井白蛾補) 14:44 dobuntuko1.pdfdobuntuko2.pdfdobuntuko3.pdfdobuntuko4.pdf国語学大系によるツイートする

2005-06-18

■ [その他]古事類苑 文学部 第二十七 外国語学 10:03 我国に行はれたる外国語学は、韓語を以て尤も古しと為す、蓋し三韓は我国との交通尤も早く開けたればなり、次で支那と交通するに及び、漢音,呉音を伝へたり、文武天皇の令を撰ばしめたまふに及び、大学に…

2005-06-16

■ [字音資料]唐音(善庵随筆・和学弁) 01:08 ○和学弁に、ひとゝせ長崎にて、唐人の旅館より一日寺〔割註〕コレ一曰示ナルベシ、訳家必備にも、一曰示一百斤ト載セタリ。」と書付て是をとゝのへくれよと、通詞の方へ言おこしたるに、皆々寄合て何の事やら合…