国語史資料の連関

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2005-11-30

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〇御国言

古事記、垂仁の御巻に、品牟都和気《ホムツワケノ》命の御事をば、「是御子、八拳鬚《ヤツカヒゲ》至2心前《ムナサキ》1真事《マコト》登波受《トハズ》、中略 物言如v思爾而勿2言事《モノイフコト》1。この詞、うちみには心えがたき詞なり。勿v言といはゞ、物言如v思とはいふべからず。物言如レ思といはゞ、勿v言とはいふべからぬことわりなり。されば思ふに、思ふが如く物いふは、真言にあらねば、さる物いひは、物いふにあらずとの心なり。これをば唖のごとく心うるは、いとをさなきわざならずや。万葉集中、「言佐敝久《コトサへく》と韓言《カラサへヅリ》をよめるは、日本紀に「韓語言といふにおなじく、きく人の情をさふるいひざまをいふにて、この真言の反なりとしるべし。此けぢめをよくわきまへずば、かみつ世の言どもはときうまじく、ましておのがいはむ言をや。ゆめ/\、わが大御国言を韓語言に混ずまじき事なり。