国語史資料の連関

国語史グループにあったブログ

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

2012-05-05

■ [国語問題]「日本人が昔から漢字や漢文を學ぶに力を費したことが、學問的能力の發逹を妨げた、と考へるやうになつた」(津田左右吉「自叙伝」) かういふ學校で學んだのであるから、讀書力は養はれた。そのころの教科書は、いはゆる漢文書きくだし風のかた…

2012-05-04

■ 金井保三『日本俗語文典』(津田左右吉「自叙伝」) 筆を他の方面に移すと、そのころの獨協の教師には風がはりの人がゐたことを思ひ出す。その一人は、國語をうけもつてゐたカナヰ・ヤスザウ(金井保三)君であるが、そのころ『日本俗語文典』を書いて口語法…

2012-05-03

■ [方言意識史]ナゴヤことばを使ふのはあたりまへのことだと思つてゐた(津田左右吉「自叙伝」) この家の生活のしぶりにはナゴヤふうのところがあつたらしい。 ナゴヤふうといつても、具體的にどこがどんなふうであつたといふことを、たしかにおぼえてはゐ…

2012-05-02

■ [言語教育]明治10年代の家庭教育(津田左右吉「自叙伝」) 小學校へあがつたのは明治十二年であつたから、七つの歳であつた。その前に家で父から四書の素讀を教へられたはずであるが、その時のことも明かにはおぼえてゐない。たゞ讀んだ本がミノ紙判の大き…

2012-05-01

■ [言語教育]明治10年代の小学校教育(津田左右吉「自叙伝」) 學校の初年級で何を教へられたかは、ほとんどおぼえてゐないが、たいていは本を讀むことであつたらしい。その本には「小學讀本」といふのがあつたに違ひないが、一般に知られてゐる如く、それは…