2012-05-04
■ 金井保三『日本俗語文典』(津田左右吉「自叙伝」)
筆を他の方面に移すと、そのころの獨協の教師には風がはりの人がゐたことを思ひ出す。その一人は、國語をうけもつてゐたカナヰ・ヤスザウ(金井保三)君であるが、そのころ『日本俗語文典』を書いて口語法の研究の先がけをした人である。しかしカナヰ君の本領はむしろシナ語にあつたので、君は日本のシナ語教育の大きな功勞者であつた。ぼくにとつては同僚の關係を超えた友人となつていろ/\せわをしてくれた。
津田左右吉「自叙伝」「獨協在職時代の思ひ出」『全集』24 p.87