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2002-06-01から1ヶ月間の記事一覧

徒然草(22)

■ [古代語][位相]徒然草(22) 何事も、古き世のみぞ慕はしき。今様は、無下にいやしくこそなりゆくめれ。かの木の道の匠の造れる、うつくしき器物も、古代の姿こそをかしと見ゆれ。 文の詞などぞ、昔の反古どもはいみじき。たゞ言ふ言葉も、口をしうこそなり…

2002-06-29

■ [古代語]徒然草(199) 横川行宣法印が申し侍りしは、「唐土は呂の国なり。律の音なし。和国は、単律の国にて、呂の音なし」と申しき。ツイートする

2002-06-28

■ [古代語][言葉とがめ]徒然草(160) 門に額懸くるを「打つ」と言ふは、よからぬにや。勘解由小路二品禅門は、「額懸くる」とのたまひき。「見物の桟敷打つ」も、よからぬにや。「平張打つ」などは、常の事なり。「桟敷構ふる」など言ふべし。「護摩焚く」と…

2002-06-27

■ [和訓栞]和訓栞大綱(166)(終) ○羅什大般涅槃経悉談章中國品を見れハ五十音とも悉談章也 [あいうえを]ハ〓〓〓〓嗚也 [かきくけこ]ハ迦鶏倶計〓也 さしすせそは遮支朱制げた也 [たちつてと]は〓知〓啼嘲也 [なにぬねの]ハ那〓奴泥〓也 [はひふへほ]ハ波〓哺…

2002-06-26

■ [和訓栞]和訓栞大綱(165) ○古史通に上古の語言のまゝに猶今も傳ハれるハ歌詞と地名とのニツ也 歌詞のこときハ後の撰述の者改め作る事を得かたき事あり 地名に至てハ異朝の歴代州縣郡國其沿同しからさるか如くにハあらす こゝをもて今によりて古を考ふるに…

2002-06-25

■ [和訓栞]和訓栞大綱(164) ○佛経は呉音儒道兩典は漢音云々此事本朝語園には延暦帝の制のよしいへり されと延暦の官符の文に須各依本業疏讀法華金光二部漢音及訓と見えたれは信するに足らす http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2562782/52ツイートする

2002-06-24

■ [和訓栞]和訓栞大綱(163) ○朝鮮の諺文はて和音五十字を彼國の人書たるを見しにイヰともに〓に作りエヱ通して〓に作りヲオ皆〓に作りたり されハ悉曇にても〓〓〓《エヲ》の三音に單複有のみにて呉音ハなし 諺文にも〓〓〓ともに一字つゝなれハヰヱオ三音は…

2002-06-23

■ [和訓栞]和訓栞大綱(162) ○譲ハ[ゆつる]を[せむる]と訓し結を解とし浮を沈むとし面ふを背くとし荒るを定まると云 臭しと香はしと云ひ 饗を祥ひとし 逆を迎ふと訓し 従ふと追ふとよまし 亂を治まると讀の類 是を倒語訓と云り http://dl.ndl.go.jp/info:ndlj…

2002-06-22

■ [和訓栞]和訓栞大綱(161) ○假名反に倒反あり神漏伎神呂美の如き是也 伎は[ひこ]の倒反 美は[ひめ]の倒反とす [こひ]反[き] [めひ]反[み]也 西土にも此例ありし事は世説に見えたり 又二重反あり 故を[かるかゆゑ]と讀か如キ是也 [るか]反[ら] [ゆゑ]反[え]…

2002-06-21

■ [和訓栞]和訓栞大綱(160) ○我邦の書史漢字を假用るに和語は主漢字は客なれば或は字義を借て和語を通し或は類字を取て義を借らす或は好字を借て和語を修し或は漢字を假て人名を修したる事一例ならすといへり http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2562782/51…

2002-06-20

■ [和訓栞]和訓栞大綱(159) ○今の唐音は南京の音をもて天下の正音とす 南京は古へ呉の地なりしかと本大國にて世々を経て其土の繁華なる天下無雙にして人物風流此地に過る事なし 此時に至りては古の荊蠻の風俗易り盡て彬々たる君子の郷となれり 俗既に文雅な…

2002-06-19

■ [和訓栞]和訓栞大綱(158) ○漢音正辨に漢音ハ中原の音古ヘの雅音なれハ韻書の擇ふ所純一にして異なきもの也 唐音ハ彼土郷語の音にして南北方土の音不同なる者也 故に字彙にも讀韻須漢音若任郷語便致差錯といへり台家傳ふる所の例時懺法聲明集の中の漢音純轉…

2002-06-18

■ [和訓栞]和訓栞大綱(157) ○漢音呉音ともに今の唐音といふものと大に同しからす今いふ所の如きは倭の漢音呉音にしてまた西土の漢音呉音にはあらす されは其始め儒典梵書ともに韓國を歴て我邦に傳へたれは韓音倭音相混して今の音とハなれる成べし 聲音もとよ…

2002-06-17

■ [和訓栞]和訓栞大綱(156) ○打聞集に問 唐音は漢音なりや 唐音と漢音其異ありや 答 實は二ツ也 今世人倭音によりて呉音の外は漢音と覺えり 凡そ呉漢唐宋の四音の異あり 白色二字の如き呉音にハ[ひやくしき]といぴ唐音には[はきせき]といひ漢音には[はくしよ…

2002-06-16

■ [和訓栞]和訓栞大綱(155) ○漢音は長安の音 呉音は江左の音なるへし そのゆゑは我邦の西土と使人往來せし始めは後漢書三國史等に見えて 垂仁景行神功の御代にあたれり 況んや後漢倭傳に自武帝滅朝鮮使驛通於漢者二十許國國々皆稱主といへるは國造縣主なとの…

2002-06-15

■ [和訓栞]和訓栞大綱(154) ○悉曇三密鈔に初ノ金禮信來留對馬島 傳呉音舉國學之固名曰對馬音次表信公來筑ノ博多 傳漢音是曰唐音と見え 悉曇藏にも金禮信表信公を舉て我日本元傳二音と見えたり されといかなる書に出ていつれの代にあり いつくの人なりしやら…

2002-06-14

■ [和訓栞]和訓栞大綱(153) ○鴨は平聲なるに鴨川といふ時は上聲 鴨社といふ時は去聲也 つゞきによりて同語も聲のかはる事あり されは古事記に豐雲野神の雲の下に上とあり 雲は本音平聲なるを雲野とつゞく故に上聲となれり 餘も此に傚ひて知へし 固より本音の…

2002-06-13

■ [和訓栞]和訓栞大綱(152) ○我邦に入聲のなきゆゑハもと単音の國にて韻律を主とせす よて西土の音にていへは此方の語は総て入聲の如し 今の唐音にても唯入聲のみ此方の一音の如くにして餘の三聲の類に異れり されは此方の音にていはんに彼國の入聲にも平上…

2002-06-12

■ [和訓栞]和訓栞大綱(151) ○私記に〓土煮尊沙土土尊に就て問此二神御名煮同字也 何故有變聲之讀哉 答是據古事記上煮字讀上聲下煮字讀去聲其由雖未詳如此之神名皆以上古口傳所注置也と見えたり 古事記中に此去聲唯一ありにハ土にて本音去聲なるを比地邇とつ…

2002-06-11

■ [和訓栞]和訓栞大綱(150) ○日本紀の印本に字の四週に圏點せる者は和語の四聲也 されと全備ならす訛謬も又多し 古事記にはそのまゝ上の字去の字なとを句中に注せり 但入聲ハ見えす 又引字を注せるハ梵書に見えて長呼の例也 [はし]と云詞に橋ハ平聲によひ 端…

2002-06-10

■ [和訓栞]和訓栞大綱(149) ○其意同しく其事異に其名同しく其物異なるか如きあり されと此等の類は我國の假字をもて書るしぬれハ其字ハ同しけれとも これを呼には其聲の平上去入其音の清濁輕重によりて各自ら相分れて同しからす 唯其始め此を轉して彼とやな…

2002-06-09

■ [和訓栞]和訓栞大綱(148) ○讀書口語ともに漢呉は勿論 清濁も音便の宜しきに從ふへし 假令は儒道佛道のときは道の字濁音也 神道の時は道の字清音也 名分等分なといふは分ノ字濁音也 幾銭幾分と呼には一分より九分にいたり 清音半濁を用う 寸尺に至ては[ぷ]…

2002-06-08

■ [和訓栞]和訓栞大綱(147) ○古事記日本紀等の古書多くハ呉音を用られたり されとも明経の徒僧尼の輩に漢音を習ハしめられたること續日本紀以下に見えたり 世に儒典は漢音を用ゐ梵書は呉音を用うといへるハ心得かたし 唯音便によりて唱へ來れる故實あれハ讀…

2002-06-07

■ [和訓栞]和訓栞大綱(146) ○明法家の故實に筈杖徒流死の徒を[つ]とよみ 烏ハ古音[を]なるを[う]とよみ 都ハ古書多く[つ]とよみ淮は懐槐と同音なるを[わい]とよみ習ハせ 〓を醫家に[うい]とよむの例皆唐音の遺れるもの也といへり ツイートする

2002-06-06

■ [和訓栞]和訓栞大綱(145) ○いの音に以伊已夷意異等を用う數字は悉く韻鏡開轉の文字也 ゐの一音に用う爲違委威圍遺謂位等の字ハ悉く合轉の字也 えに用うる盈衣叡要曳愛等の字は悉く開轉の字也 ゑに用うる慧惠衛會營榮永穢回畫等の字ハ悉く合轉の字也 されハ…

2002-06-05

■ [和訓栞]和訓栞大綱(144) ○此方の漢音呉音 韻鏡に訂しても反切に合ぬ音もあり こハ古へより呼來りて反切に違へるもあり 又反切に合せ呼ハ異榛に聞へあしきをもて五音通して聞のよき音に呼るもある也といへり ツイートする

2002-06-04

■ [和訓栞]和訓栞大綱(143) ○音の假名は韻鏡をもて正し書へし されと蕭の韻の假名に[へう][てう][けう][せう][れう][ねう]を用來れる事あり 是ハ[ひやう][ちやう]の類を正しとすなれと歌書物語なとにハ習ひ來れることく書を故實とす 別て法師は[はふし]なる…

2002-06-03

■ [和訓栞]和訓栞大綱(142) ○凡そ字音は引と勾《ハヌ》ると清せ濁るとの四等に過すといへり ツイートする

2002-06-02

■ [和訓栞]和訓栞大綱(141) ○字音のかなは三字にかぎれり 訓のかなハ五六字に及ものあり 又二字三字の訓を合せて一字に約めよめるもあり ツイートする

2002-06-01

■ [和訓栞]和訓栞大綱(140) ○よみくせといふは正音に非されとも言便にしたかひて變し傳ふるあるをいへり 女御を[にようご]とし 近衛を[このゑ]とし 冷泉を[れいせい]とするの類也といへり 仁壽殿を[じんうてん]といひ 達智門を[だていもん]といふは埃嚢抄?に…