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2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2004-06-08

■ [近代語]石井研堂『明治事物起原』地理部「日本アルプスの命名者」 日本本州の大脊梁をなす信州の高山彙を、今日日本アルプスと総称す。この日本アルプスの名は、同名の書を著はせしウエストンの命けしものとされあれども、その実はしからず。真の命け親は…

2004-06-07

■ [近代語]石井研堂『明治事物起原』地理部「北海道地名の命名」 松浦弘、名は武四郎(一に多気志楼の号あり)、和歌山藩の人にて、蝦夷地(いまの北海道)探検の功、偉大なり。その土人を案内者として、全道の山河を跋渉し、地図を製し地誌を編める労苦は、思ひ…

2004-06-06

■ [表記史]石井研堂『明治事物起原』地理部「外国地名の当て字」 台湾の古名、『唐土歴代沿革図』に「塔葛沙古《タカサゴ》」、『台湾鄭氏記事』に「塔加沙古」とあり。本邦の文書に「高砂」と記す。外国地名に和訓字を当てるは、邦人に読みやすく、かつ字数…

2004-06-05

■ [近代語]石井研堂『明治事物起原』暦日部「ゾンダフ」 (二)ゾンダフ 文久三?年版『横浜奇談?』に、「彼の国には、ゾンダフといふ事あり。此ゾンといふは、洋語の天なり、ダフとは、幾日/\といふ日の事なり。我国の七曜の中、日曜日なり、八日め/\に当…

2004-06-04

■ [近代語]石井研堂『明治事物起原』暦日部「幾世期といふ始め」 幾世期といふ新語は、加藤弘之訳『国法汎論』にあるを始めとすべし、と社友に教へられ、早速同書(明治五年四月の小引あるもの)を見しに、その凡例に、果たして左の数行あり。「幾世期ト記ス者…

2004-06-03

■ [近代語]石井研堂『明治事物起原』地理部「公園の名称の始め」 Parkは、英和辞書類には、「囿又は獣を放し飼ひする所」と訳せるが多く、これに、公園の訳を当てしは、いまだ知るところなし。もつとも、この二字は、『北史』に、「任城王澄、為二定州刺史、…

2004-06-02

■ [近代語]石井研堂『明治事物起原』交通部「郵便はがきの名付け親」 (五)郵便はがきの名付け親 前島密の『鴻爪痕』に、大蔵省五等出仕にて、紙幣局印刷部の監督なりし青江秀は、駅逓権正前島密の旧友なり。その者の案にて、西洋のポストカードを、はがきの…

2004-06-01

■ [その他]石井研堂『明治事物起原』金融商業部「古本陳列即売会の始め」 (一)東京 「記録類ことごとく焼亡したれば、年月の判然たることは分からざれども、十四、五年前なりしかと記憶す。横浜なる貿易新聞社?長富田氏が、横浜に古本店なし、願くは出店して…