2005-03-05
■ [表記史]古事類苑 文學部 一 文字
名稱
上古無文字?
神代字?
假名手本?
我國上古文字なし、應神天皇の朝に始て漢字を傳へて之を用ヰる、或は云ふ、神代より文字ありと、天武天皇の時に、新字四十卷を作る、杣辻の如きは當時の作なりと云ふ、是より後に假名起る、假名には片假名あり。平假名あり、片假名は多くは.楷書の偏旁を取りたるものにて、古昔は其體一樣ならざりしが、後世に至り殆ど画一の體となれり、平假名は多くは草書の體の壊れたるものにて、古は之を草假名と云ふ、又伊呂波假名と云ふは、此を以て伊呂波歌を寫すが故なり、さて此仮名は初より片假名の如く許多の體はあらざれども後世まで反て画一なるに至らず、又真假名あり、上世?より起りしものにて、眞草を擇ばず、漢字の體を成し其字の音、或は訓を借り用ゐるなり、是を万葉仮名と云ふは、萬葉集に用ゐたる故なり、而して真名と云ふは、漢字を総稱するものにて、正用?と借用とを簡ばず、さて彼の伊呂波歌は、世に傳へて空海の作とす、今書籍上に此歌の事の見えたるは、河海抄に江談?を引きて、源信の講説を擧げたるより古きはなし、其事は一條天皇の比の事なるべし、尚ほ音韻篇五十音圖條に、片假名の事あり。參照すべし
(原文片仮名)