国語史資料の連関

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2005-03-07

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 未完本ながら、明治四年に公刊せる『語彙』は、新式日辞書と見るべきものなり。大槻先生『言海』の跋文中に、八年二月二日、本省報告課に転勤し、ここに始めて日本辞書編纂の命あり、……これより先に、編輯寮にて、語彙を編輯せしめられしに、碩学七、八人して、二、三年の問に、わづかにアイウエの部を成せりき。横山由清君も、その一人なりしが、再挙ありと聞かれて、意見を述べられけるは、語彙の編輯、議論にのみ日を過ぐして、成功なし。多人数ならむよりは、大槻一人にまかせられたらむには、かへつて全功を見ることあらむと、いはれたりとなり。また明治十一年には、物集高見編纂の『日本小辞彙?』あり、説明は粗略ながら、体裁は、やはり当時としての新式のものなり。

 近藤真琴の著述にかかる『ことばのその』は、小本和装六冊ものなり。その緒言によれば、明治十六年三月より編纂に着手し、十七年秋より摺本にせり。

ことばのその一ノ巻アの部

あ のむどよりいつるこゑ、かさたなはまやらわの、こゝのつのこゑは、なかくひけばみなあとなる。またいうえおのこゑのはじめなり。