2010-04-16
■ [学史]古言梯標註後序
古言梯標註後序
ふるごとまなびのをしへ、ひらけそめてより、かなづかひのふみどもこれかれとおほかれど、古言梯にまさるべきはたあらざりけり、それがなかにも、いさゝかあやまれることあるを、村田大人のかうがへたゞされしうへ、おのれ又なにくれと、しるしそへおきたるを、難波の書商人のもとに、此書ふたゝびゑりあらためむとする事ありて、かの大人の考に、おのれが書くはへしことゞもをも、ゑりそへにけり、おのれ去年の春、みやこにのぼりたるついで、難波にくだりて、はじめてそのゑりあらためたるをみしに、さかしらにうつしつたへて、たがへるも、もれたるもあれば、おのれにとひはかりもせで、かくなしをへたるを、とかくいひなじりたれど、はやくゑりはてたることなれば、せむよしなしとて、わぶるをいかゞはせむ、かくてもあべかなりとてこゝかしこおぎなひ、あらためさせて、ゆるしあたへぬ。なほいはまほしきことは、ものゝついでをまちて、とてなむ。