2010-02-02
■ [ここから広がった][国字問題]当用漢字の広がり
昭和三一年五月二七日の読売新聞に賞金三万円の「家中で考えましょう推理作文」が掲載されたのを始めとして、(中略)
たとえば、読売新聞のクイズ応募注意には、入れる文字は当用漢字の範囲内で補正漢字を含むこと、読み方は当用漢字音訓表によることが要求され、(中略)
こういうわけで、それまで当用漢字や送りがなに無関心であった人々が用字用語辞典を買い求め(中略)
こうした、賞金獲得のための学習と、ボナンザグラムをめぐる議論や批判などは、人々の関心を国語問題に向け、一〇年かかって普及しなかった当用漢字を一、二カ月の間に多数の人々の間にひろめることになりました。
阪倉篤義・寿岳章子・樺島忠夫『現代のことば』「ボナンザグラムの言語学」