2012-07-01 2012-07-01 ■ 「昔より仮名づかひと云ふことはありけるにや」(梅村載筆・人巻) ○古今同文字なき歌、 世のうきめみえぬ山路へいらんには思ふ人こそほだしなりけれ 此「みえぬ」の「え」と「やまぢへ」の「へ」と同音にとなふる時は、昔より仮名づかひと云ふことはありけるにや。されども字をかへて同音をとなへ同字なしとせば、「いゐ・をお・ゑえ」なんどの類みな用ひんや。「定家、明魏を再生せしめて、此ことをかたらまほし」と云人あり。長嘯にとひければ、「やまぢへ」の「へ」をにごりてよまんかといへり、惺斎?に尋ねければ、しばらく思案して、「いかゞうたがはし」といへり。但し昔は「へ」と「え」との音分明なるにやといへり。 ツイートする