国語史資料の連関

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2007-06-05

[][]「名乗をかへすといふ事」(江村北海授業編』) 「名乗をかへすといふ事」(江村北海『[[授業編]]』) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「名乗をかへすといふ事」(江村北海『[[授業編]]』) - 国語史資料の連関 「名乗をかへすといふ事」(江村北海『[[授業編]]』) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

天明三年

此邦の人の。名乗をかへすといふ事ありて。是を学者の知りたる事のやうにおぼゑて。請求る人あり。此事を斥非編?に大に非駁して。不知其非為之是至愚也知其非為之是誑人也など云に至る。全文長ければ此には略す。余が意をいはゞ、さほどに角々しく云はずともすむべし。斥非編?に又曰儒者若浮圖有業此以致富者。余おもふに、東都は侯伯のあつまりいます地なれば、名乗をかへす事を業とする人もあるにや。それは余がしらぬことなるが、京師などにては、たとへ是を業にする人ありとも、幾人の来り求るあらん。余が方へもたま/\は、名乗をかへしくれよと頼み来る人あり。其時は、余韻鏡の学にうとければ其事にくわしき人へ請求むべしと云て辞す。なをも強て請人あれば、何々の二字の帰納は某の字にこそなれと帰納の字ばかりを書付つかわす事もあり。もしかゝる事は、漢土にもある事にや。学者の上にも為す事にやと、尋る人あれば漢土の書には余いまだ見及ばず我輩はかゝる事もなさずと答えて止。要するに其理りはともあれ、たゞ今にては、上侯伯の貴きより武家一同のならはしのやうになりぬれば此邦に居て、其事をあらはに非議せん事は、道理に於ておだやかならず思ふなり。


韻鏡による姓名判断