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2010-01-12

■ [方言意識史]人の詞を笑嘲ること、口論となるもの(旅行用心集

皆人《みなひと》他国《たこく》へ出れば、物いひ、風俗《  ぞく》いろ〳〵に替《かはり》て、己《おのれ》が国言葉《くにことば》に違《たが》ふ故に、聞馴《きゝなれ》、見なれぬ中《うち》はおかしと思ふなれど、又 先《さき》の人も此方《このほう》をおかしと思ふは必然《ひつぜん》なり。しかるを心得ちがひして、他国《たこく》の風俗《  ぞく》、ものいひ等 笑ふなること、誤《あやまり》としるべし。人の詞を笑嘲《わらひあざけ》ること、口論《こうろん》となるもの也。

 

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko06/bunko06_02230/bunko06_02230.pdf#page=24

八坂書房 生活の古典双書。pp.30-31

文化七年刊。

引用

加藤秀俊『新・旅行用心集』により知る。(p.8,p.44)