国語史資料の連関

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2007-09-12

古今集遠鏡例言 10 古今集遠鏡例言 10 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 古今集遠鏡例言 10 - 国語史資料の連関 古今集遠鏡例言 10 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

○詞のところをおきかへてうつすべきことおほし、「あかずとやなく山郭公」などは、郭公を上へうつして、郭公ハ残リオホウ思フテアノヤウニ鳴クカと譯し、「よるさへ見よとてらす月影」は、当ルマデ見ヨトテ月ノ影ガテラスとうつし、「ちくさに物を思ふころかな」のたぐひは、ころを上にうつして、コノゴロハイロ/\ト物思ヒノシゲイ事カナと譯し、「うらさびしくも見えわたるかな」は、わたるを上へうつして、見ワタシタトコロガキツウマア物サビシウ見エル事カナと譯すたぐひにて、これ雅言《ミヤビゴト》と俗言《サトビゴト》と、いふやうのたがひ也、又てにをはも、ところをかへて譯すべきあり、「ものうかるねに鶯ぞなく」など、ものうかる音にぞと、ぞもじは、上にあるべき意なれども、さはいひがたき故に、鶯の下におけるなれば、其こゝろをえて、譯《ウツ》すべき也、此例多し、皆なずらふべし、