国語史資料の連関

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2009-01-14

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文部省第四年報

方今習字の法は楷書を先きとして行書を後にす。是は支那の書家の理論に基く所となるべけれとも甚た実用に適せず。故に小学に入ることに三年にして受取書一つをも書得ること能はず、迂潤なる授業法と云ふべし。

習字は先づ行書を教へ次に草書を教へ最後に楷書を教ふべし。或は楷書を廃するも可なるべし(西村茂樹)

楷書字画の最正しき者なれば唯に習字中の至要たるのみならず又読書をも助くべき者なりと謂、平常人民の住所・姓名・手簿・日用・親族往復の手簡等を以て足れりとする者は未だこれを学ぶの緊要たるを見ず(九鬼隆一)

(原文片仮名濁点句読点無し)

古田東朔「教科書から見た明治初期の言語・文字の教育」(文化庁国語シリーズ)の指摘p.102による。