国語史資料の連関

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2012-01-15

地名に「陽」を付ける(夏山雑談・巻二) 地名に「陽」を付ける(夏山雑談・巻二) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 地名に「陽」を付ける(夏山雑談・巻二) - 国語史資料の連関 地名に「陽」を付ける(夏山雑談・巻二) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

   ○國名に陽の字を用ふること

甲陽、尾陽などゝ國名に陽の字を用ゐ、或は大阪を阪陽、長崎崎陽と云こと、近世流俗のやうになりぬ。如何なる人の云ひはじめたるにや。皆是奇異なることを好む人のなすわざなり。或書に、異國にて陽の字を地名とするは、山の南、河の北に在所を云なり。咸陽、漢―、丹―の類なり。此等のことを辨へすして、我國の國名に陽の字をもちうることは笑ふべしとみへたり。官職、國名等に唐名を用ひらるゝことは、古へより公事政事においてはなきことなり。詩文章には粗所見あり。詩文章は異國の法なればなり。