国語史資料の連関

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2012-01-13

国名を「~州」と書く(夏山雑談・巻二) 国名を「~州」と書く(夏山雑談・巻二) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 国名を「~州」と書く(夏山雑談・巻二) - 国語史資料の連関 国名を「~州」と書く(夏山雑談・巻二) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

   ○國名を和州、河州と書こと

國名を和州河州と書ことは、本式にはなき事なり。史類の所見もなし。然れども詩文章に昔より多く用ひ來れば、官名に麿名を用る意なるべし。官名國名ともに、我國の正しき制法を唐名に換て書くことは本意なきわざなり。如何なる人の始めたるにや。其事古し。延喜以來粗所見あり。されども今の書様とはかはりたるものあり。今は但州と書を、むかしは馬州と書たるにや。文朝文粋に、山の井中納言(水無瀬家の祖)但馬國に流されておはせしが、歸京を赦されんと請ひ給ひし状に云、嗚呼昔侍2鳳闕1。巳爲2羽翼之臣1。今在2馬州1長《ク》作2蒭蕘之士1云々。又今は濃州と書を、美州と書たるにや。大江の匡衡朝臣の美濃守源の頼光朝臣に報するの書の宛所に、謹上美州の判使の硯下と見たり。