国語史資料の連関

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2010-03-23

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評議の席とて案内するに二十間に十間もあるべき板敷にして四方折廻し、二階敷にして合天井の如く、格子に組て金銀彩色の模様ある玻璃の板を入、高き事二丈余も有べし、正面高き所に副統領(ワイスフレッシテントといふ)前に少し高き台に書記官二人、其前円く椅子を並べ、各机書籍を夥しく設け、凡四五十人も並居て、其中一人立て大音声に罵、手真似などして狂人の如し、何か云ひ終りてまた一人立て前の如く、何事なるやととひければ国事は衆議し、各意中を残さず建白せしを、副統領聞きて決するよし。二階桟敷には男女群集して耳をそばだてゝ聞たり、かゝる評議の席のかたはらに聞てるしが、何成と問ふべき由云ぬれど、もとより言語も通ぜず、又とふべきことはりもなければその儘出ぬ。二階に登りてまた此桟敷にて一見せよとて椅子にかゝりて見る、衆議最中なり、国政のやんごとなき評議なれど、例のもゝ引掛筒袖にて大音に罵るさま、副統領の高き所に居る体抔、我日本橋の魚市のさまによく似たりとひそかに語合たり。

尾佐竹猛幕末遣外使節物語』による。

世界ノンフィクション全集十四巻には現代語訳遣米使日記(川村善二郎?訳)

村垣淡路守範正