国語史資料の連関

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2007-11-01

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街路に白文字広告

大正四、五年頃、各地の都会の街路に白文字広告をすることが流行した。それは、大きな袋の底に広告文字を切り抜き、その袋に石灰を入れて路上にペタリとおろすと白字が現われるのである。

この広告法は、人々に強く注意させること(外国人の考案)であったが、我が国では永く行われなかった。それは街路を汚損することだと言って、警察官が禁じたのかもしれないが、一方、行人にも好感を与えなかった。

「オヤここに文字がある」といって避けて通る。古来文字を尊重する風習があるので、人が通る所に文字を書くのはもったいない、それを踏むのはなおさらもったいないとする旧思想の存する点を察しなかったのによることであろう。

河出文庫isbn:4309473164