2013-02-09
■ [表記意識]異種の仮名を使用する上の注意
異種の仮名を使用する上の注意です。普通に仮名は平仮名を用ひる方がよいですが、平仮名を用ひた文の中に片假名を使用する場合は大体、外国の地名か人名に限るものと思って下さい、たとへば、シンガポールとか、ナポレオンとか。其の他は、ラヂオとかモーターサイレントか、日本に適訳がない舶来品などを書く場合は異種の仮名を用ひますが、此外の場合——例へば、そっと見たとか、ぐっすり眠ったとか、はっと驚いたとか、はら/\と涙をこぼした、とか、日本語の副詞を、『ソット』『グッスリ』『ハラ/\』『ハット』などと書く人が多いが、これはよくない癖です。やはり平仮名で書くべきです。
八波則吉『少年模範文』p.50