2012-01-04 2012-01-04 ■ 死することを「廣島へゆく」と云ふ(夏山雑談) ○廣島へゆくといふ俗諺西國邊にて卑俗の諺に、死することを廣島へゆくと云ふは、安藝國|嚴《いつく》島は神地にて穢をいむ故に、人死する時は、其死體を片時もおかず。息たへぬればいまだ死せざるよしにて、廣島の地へ渡し、彼所にて喪を發し葬ることなり。是故に死と云ことをいみて、廣島へゆくといひならはせしなり。是嚴島の土俗の忌言なり。然るを國々にいひ傳て、西國邊は專らかくいふ事になりぬ。近年は大坂にても、卑賎の人は多くかく云ふなり。 日本随筆大成〈第2期 第20巻〉 作者: 日本随筆大成編輯部出版社/メーカー: 吉川弘文館発売日: 1995/02メディア: 単行本この商品を含むブログを見る ツイートする