2009-02-05 2009-02-05 ■ [言語生活史]拾ひ讀み 自分の祖母は非常に小説好きであつた。……それで自分の五六才の頃には、能く祖母から草双紙の絵解きをして貰つたので。『八犬伝』なんかは馬琴の原書ではなく『犬廼草子』や『かなよみ八犬伝』の方で、早くから馴染であつた。此他『白縫物語』だの『雲龍九郎』だの『児雷也』だの『妙々車』だの『一休草紙』や『釈迦八相記』や、そんな種類の本の挿絵を見て、時には仮名の拾ひ読みなどして喜んでゐた……。(江見水蔭『自己中心明治文壇史』) 前田愛「明治初年の読者像」『近代読者の成立』ツイートする