国語史資料の連関

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2002-05-21

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○麾毀暉〓等に[くゐ]の假名を用ゐ 化花等に[くゑ]を用ゐ勇用に[いゆ]を用ゐ 炎鹽に[いゑむ]をもちゐ 余與に[いよ]を用うる 是皆喉音中にある假名也 又歯音に[し]を[すゐ]とし 牙音にも[き]の假名に[くゐ]と書 [け]の假名に[くゑ]と書は悉く皆直音拗音とを假名に使ひ分たる也 開音の字に直音假名を用ゐ 合音の字に拗音假名を用ゐたり たとヘハ歸喟鬼貴の類にハ[くゐ]と書 源氏變化の類には[ぐゑむじ][へんぐゑ]と書る是也 佛咒も多く拗延の音を用う 不空羂索経に尾を[べゐ]左を[しや]と誦するが如し 又律の古本に坐字に[つあ]の假名を用ゐたり 今の唐音に在ノ字を[づあい]と唱ふるか如し 口語高麗を[かうらい]と呼も亦拗音也 虜は魯と同音なるを[りよ]とよみ來れるも同し 今の世は此分ちしらすなりにたりといへり