国語史資料の連関

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2011-02-21

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円朝が高座をすませて下りた楽屋に、松林伯円が、少し暗い顔で坐っていた。

 しかし、僧門ともあろう者が、そんな顔を見せはしない。高座から下りて来た円朝を見ると、とっさにサッと明るい表情に変った。高座のイキだ。伯円にとってたいして難かしい芸ではない。

「お目出度う」

 いつもなら「御苦労さま」「お疲れさま」というべきところを、円朝にとっての新出発だから、伯円は、お目出度うといって、ニッコリ笑った。が、ふっとそれが今夜の円朝にとっては、皮肉に感じとられはしないかという気がしたのだ。

長谷川幸延「新しき道」?(『寄席行燈』下)p.12