国語史資料の連関

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2010-03-06

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    三八 言をもじといふ事

 歌のみそぢひともじを、近きころ古学するともがらは、字といふことをきらひて、卅一言といひ、五もじ七もじなどをも、五言七言とのみいふなれ共、古今集の序にも、みそもじあまりひともじと有て、いにしへよりかくいへり、すべてもじといふは、文字の字の音にて、御国言にはあらざれども、もんじといはずして、もじといへば、字の音共聞えず、御国言めきてきこゆる、此外にも、ほうし ぜに ふみ などのたぐひ、字の音をなほして、やがて御国言に用ひたる例多かり、されば古き物語ぷみなどにも、詞をことばといひてわろき所をば、もじといへることおほし、のもじをもじなどいふ類也、これらをも、近く古学の輩の、のゝ語をの語などいふなるは、中々にからめきてぞ聞ゆる、源氏物語などには、別(ワカレ)といふことをすら、わかれといふもじといひ、葵巻には、今はさるもじいませ給へなどあるも、さる詞といふこと也、かく詞といひてもよきをだに、もじといへることあれば、まして五もじ七もじのもじをもじなどのたぐひは、さら也、