2009-04-01 2009-04-01 ■ [方言意識史]大阪風に云うと照れくさく 私はどうしてもアクセントはどこまでも大阪で言葉は東京と云う変な調子の他所行き言葉にかえてしまった。近頃のようにテレビ、映画、劇等で大阪弁や京都弁が、流行のようになると、きゝつけぬ人も余りないが、その頃の純東京人はよくきゝ返された。それが何となく大阪風に云うと照れくさく、家の中では大阪弁を交えて話し、お客樣とは関西の方とでも純粋の大阪弁を使わなかった。かえって谷崎の方がいつの間にか大阪弁が飛び出し、自分でも驚いていた。 谷崎松子「源氏余香」(『倚松庵の夢』中公文庫p.87 もと『中央公論』昭和41.6)ツイートする