2009-03-19 2009-03-19 ■ [方言意識史]「東京語七分に方言三分の類が幾多ある」 江戸子。近頃の小説を見ると、人物の話といふものが東京語七分に方言三分の類が幾多あるが、あれは如何か注意をしてもらひたいもので、此篇お樂の語にも所々方言が出る、爲にどれほど興味を損じるか知れぬ。是等は學んで難からざる事のみならず、此作者の如きは全く書流しの不注意らしい。對話は人物を活動せしむる唯一の機械なれば這般の小技大體を傷くるに足らずなどゝ安く見ないがよからう。 鴎外全集24 pp.29-30「雲中語」さび刀(水谷不倒)ツイートする