国語史資料の連関

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2009-01-26

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 むかし,仙臺の侍と鹿兒島の侍とが,江戸のまんなかで出あった。道を聞いたが,さっぱりことばが通じない、やむをえず,謠で用をたした。

「いかにものをおたずね申し候。」

「おたずねとは何ごとにて候ぞ?」

「番町へはいかに參り候やらん?」

「さん候。この坂をのぼられ,右に參らりょうずるにて候。」

タカクラ・テル「ニッポン語再建」中央公論1937.7(タカクラ・テル『青銅時代』ASIN:B000JBBTKU所収)