国語史資料の連関

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2007-09-10

古今集遠鏡例言 8 古今集遠鏡例言 8 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 古今集遠鏡例言 8 - 国語史資料の連関 古今集遠鏡例言 8 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

○歌によりて、もとの語のつゞきざま、てにをはなどにもかゝはらで、すべての意をえて譯《ウツ》すべきあり、もとの詞つゞき、てにをはなどを、かたくまもりては、かへりて一うたの意にうとくなることもあれば也、たとへば「こぞとやいはむことしとやいはむ」なと、詞をまもらば、去年ト云ウカ今年トイハウカ、と譯すべけれども、さては俗言の例にうとし、去年ト云タモノデアラウカ今年ト云タモノデアラウカ、とうつすぞよくあたれる、又「春くることをたれかしらまし」など、春ノキタ事ヲ云々、と譯《ウツ》さざれば、あたりがたし、來《ク》ると來《キ》タとは、たがひあれども、此歌などの來るは、來《キ》ぬると有べきことなるを、さはいひがたき故に、くるとはいへるなれば、そのこゝろをえて、キタと譯《ウツ》すべき也、かゝるたぐひいとおほし、なずらへてさとるべし、