国語史資料の連関

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2007-08-08

[]「音、崩して七百、楷書で六百」「浮世床」初編中 「音、崩して七百、楷書で六百」「浮世床」初編中 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「音、崩して七百、楷書で六百」「浮世床」初編中 - 国語史資料の連関 「音、崩して七百、楷書で六百」「浮世床」初編中 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント


むづかしい字をしる程損がいくかと思ふよ。まづ観音さまの「音」の字を見ねへ。やさしく書けば七百といふ字だが、むづかしく書くと六百といふ字だ。してみれば舌切雀の葛籠といふ物で、手がるい方が徳だ。ソレよしかの ソレ、七百よ【ト火ばしで灰の中へ書いて見する】ソリヤ、むつかしく書くと六百、ソレ見たか是、ちよつとしても百損がいく。

五體字類「音」

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/5tai/haga645.html (五體字類「音」)


新潮古典集成の注で、天明三年刊『夜明烏』「文字せんさく」

「「をと」といふ字はどふ書く」と問ふ。「はて、知れた事じや。七百と書く」と言へば、「それは知つてゐる。真ではどふ書く」と問ふ。「真では六百と書く」と言へば、「はてのふ、結局百安いか」

を引く。

佐竹昭広古語雜談』では、「やさし」の用例として、ここを引用する。