2007-05-23
■ ナッメリ、ナッナリ(藤井貞和『古典の読み方』)
なりめり、なりなり、とあるのが原型だろう。それがナッメリ、ナッナリとなり、「ッ」を書くのを省略して「なめり」「ななり」となった、という説明がよいと思う。
[……]
引用終わり
「めり」「なり」がラ変でも連体形ではなく終止形につくものだった、というあたりはそれでよい(大野晋が『岩波古語辞典』に書いた「基本助動詞解説」によっている。「ありなり」の用例があるので示した方がよいと思うが)。
しかし、マ行やナ行の前の促音というのが、どういうものを想定しているのか(ひいては、促音とは、あるいは促音便とは何か)を示すべきであろう。大野晋の言うような、
伝聞推定の「なり」はラ変型活用の場合でもその終止形を承けた結果「あり」の「り」は撥音便「ん」となったが、「ん」は表記法として定着していなかったので、「あなり」または「あんなり」と書かれた。
で、なぜいけないのか、ということである。