国語史資料の連関

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2007-05-21

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旭堂南慶演「情の假字書き」

(評判講談全集 第六巻 昭和6.3)               

お母《かあ》さま、この反古《ほご》の假字書《かなが》きの論語《ろんご》はどこにございましたのですか、國字《こくじ》の四|書《しよ》といふものは、私《わたし》まだ見《み》た事《こと》もございませぬが……

妾《わたし》は無學《むがく》で、どうやら金釘流《かなくぎりう》に假字《かな》が書《か》けるだけ、迚《とて》もお前《まへ》のおさらひを見《み》て上《あ》げることが出來《でき》ないかと思《おも》ふと、殘念《ざんねん》で……

毎日妾は紙と矢立をもつて、すぐお隣の糟谷先生の窓下へ駈付けて、あの先生が、いゝお聲でお讀みになるのを、一所懸命夢中になつて、うろ覺えの假字で、紙に寫しとつたのです