国語史資料の連関

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2006-04-03

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初出『別冊文芸春秋』昭和40.9刊 今講談社文庫同名書 昭和46.10.15による。70頁

三条家に駈け込んだのは公用人の野村左兵衛であった。かれは容保の立場をるるとのべた。

「申すこと、よくわからぬ」

と、実美は当惑したような表情をつくった。左兵衛の会津なまりがひどすぎて理解にくるしむ、というのである。左兵衛はやむなく、謡曲文語を藉りて朗々と声を張りあげた。

 実美は、ゆっくりとかぶりをふった。左兵衛は万策尽き、筆談をした。

〔野村左兵衛は『幕末維新人名辞典』に載る〕

山川浩京都守護職始末〈旧会津藩老臣の手記〉』東洋文庫には、謡曲の事なし〕

早乙女貢会津士魂』1には野村直臣と三条実美あれど、謡曲の事なし〕

〔『史談会速記録』にも野村左兵衛は何度か出るが謡曲の事なし〕

〔『七年史』?〕