国語史資料の連関

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2004-05-21

[]近藤真琴石井研堂明治事物起原 第八) 近藤真琴(石井研堂・明治事物起原 第八) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 近藤真琴(石井研堂・明治事物起原 第八) - 国語史資料の連関 近藤真琴(石井研堂・明治事物起原 第八) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

 近藤真琴海洋学者にて、数学をよくし、また国学に深し。天保二年九月二十四日、江戸麹町の鳥羽藩邸に生まれ、幼にして父を失ひ、蘭学と漢学とにて藩侯に仕へ、文久二年、始めて幕府に召し出され、軍艦方に勤む。

 明治後は、新政府に召し出され、三年、海軍操練所出仕となり、兵学寮大助教授となれり。六年、墺国大博のさい渡航し、『同博覧会見聞録』『子育の巻』の著あり。十九年九月四日卒す、年五十六。

 氏、かつて、本邦に完全なる辞書のなきを憾み、独力その編纂に手を着け、明治十七年の秋、これを刊行して『ことばのその』といふ、本邦辞書の祖といはる。また氏のもつとも偉大なる功績は、攻玉舎の創立にて、明治初年の家塾に淵源し、半生の努力、つひにこれを大成し、数千の子弟を陶冶して、海員たらしめしことは、挙世その徳を頌せざる者なし。