国語史資料の連関

国語史グループにあったブログ

2004-05-02

[]左より横書き石井研堂明治事物起原 第一) 左より横書き(石井研堂・明治事物起原 第一) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 左より横書き(石井研堂・明治事物起原 第一) - 国語史資料の連関 左より横書き(石井研堂・明治事物起原 第一) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

 明治八年九月二十二日の『読売』に、両国橋巡査分署の立札に、左より横に書ける非常知らせのあるを報じ、「近頃は、横文字に習つて、漢字仮名を、左から書くことが流行致しますが、どんな先生が書き初めたことか、少しも分りません(横文字に添へる時は、また、書ても、少しは理窟がありませうが)。漢字や、仮名ばかりを、左から横に書かれては、お分りのないのも御尤、併し、此節は、流行もの故、外にも沢山書て有ります」とあるは、左行横書きの、なほ珍しかりしなり。

 明治二十一年の春、左行横書きを便とする人々「書方改良会」といふを起こし、機関雑誌『国民必読』を発行せしことあり。菊二倍十二頁、全部左行横書きにて、その範を示せり。が十号までは続かざりし。

 昭和二年九月、東京市麹町区役所落成す。その入口の「麹町区役所」の五題字、左より横書きなるに異議が出て、開業式を数日延期して、これを右がきに、改造せしことあり。

文字は右行か左行か(石井研堂・明治事物起原 第八)

読売記事は、屋名池誠横書き登場』*のp100にも引く。