国語史資料の連関

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2003-02-19

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 物理学の術語、年代とともに変化あり。

 (一)安政三年版広瀬氏の『理学提要』は、今日の分子を極微といふの類、今日と同じからず、「天気は諸瓦斯及水蒸気の渾融に由る」云々など、瓦斯の語は今日と同じ。

 (二)明治五年版『究理通』に、「指頭に名刺と銅貨とを載せ、その名刺を弾きて、銅銭が尚指上に止るは、これ銅貨の鈍勢なり」と説くの類、これは同じからざる例なり。

 (三)明治五年版、東井氏の『発明記事』開巻第一に、汽の説の章あり。全編汽の字を蒸発気の意に用ひ、汽機関・汽筥・汽匱等あり。また、今日の「安全弁」を「免難舌」または「平安頁」と出せるなどは異とすべき方なり。